> 結城浩の日記 > 2005年7月 | 検索 |
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私「 前にも出したことのある問題だけれど…」
長男「ふんふん」
私「1から10までの整数を2つのグループA, Bに分ける。どういう風に分けてもよいとする。Aに含まれている数を全部かけた数と、Bに含まれている数を全部かけた数が等しくなることがあるか、というのが問題」
長男「等しくなることがあるかどうかを答えれば良いの?」
私「そう。等しくなることがあれば、その分け方を示す。等しくなることがないなら、それを証明する」
長男「証明?」
私「「証明」が難しければ、「きちんと説明する」というのでも良いよ」
長男「ふうん…(考える)」
私「たとえば、{ 1, 2, 3, 4, 5 }と{ 6, 7, 8, 9, 10} という分け方はどうだろう」
長男「それはだめだよ」
私「どうして?」
長男「だって { 6, 7, 8, 9, 10 } のほうが大きくなるから」
私「そうだね」
長男「…ねえ、お父さん。1から10まで全部かけるといくつになる?」
私「今すぐはわからないなあ。でもどうしてその数を知りたいと思ったの?」
長男「ん? いや、なんとなく」
私「何かヒントになると思った?」
長男「うん」
私「なかなか良い線をついているかもしれない」
長男「…あ、分かったぞ。素因数分解すればよいね」
私「ほほう。どういうことかな」
長男「2は2だね。3は3。4は2と2。5は5。6は2と3…」
私「そうだね。なかなかよさげ」
長男「1は? 1はどうしようか。あ、どっちでもいいね。2から10までを考えればよいんだ」
私「そうだね」
長男「じゃあ、まず素因数2を数えるね。…8個だ。偶数だね」
私「ふむふむ」
長男「偶数なら、うまく分けられるかもしれないなあ…。素因数3はどうかな…4個。これも偶数だ」
私「ほほう」
長男「5は?5と10に入っている。2個で偶数だ」
私「そうだね」
長男「7は? 7は? あ、7は1個しかない。わかった。だからできない。できないよ! 7は1個しかないから、数をどういう風にわけても、かけた結果が等しくなることはない!」
私「はい、説明はさておき、考え方は正解です。正解!」
長男「ふふん(得意げ)」
私「7は孤独な数なんだよ」
長男「へえ。あ、でも、14まで考えれば、7が偶数個になる。…あ、だめだ。今度は13が1個になってしまう」
私「11もだね」
長男「うん。けっこう難しいもんだね」
私「そうだね。すべての素因数が偶数個なければ2グループに分けたときに積は等しくならないんだ」
長男「うん」
私「偶数個あったとしても、積を等しくできるとは限らないけれどね」
長男「そうだね」
私「2グループに分けるため、素因数が偶数個あることは必要だけれど、それで十分じゃない」
長男「うん」
ときどき「はてなRSS」を使ってみる。 フラットに並んでいるフィードをグループ(フォルダ)に一個一個分けるのは面倒なので、 いったんOPMLでエクスポートし、XMLとして加工した上でインポートしようと考えた。
ところが、OPMLでエクスポートすると、 何と、グループの階層構造が失われてしまうことが判明。 ショックを受ける。
OPMLインポートの際、OPMLの階層構造の通りにグループ分けもしてほしいというはてなアイデアが出ているということを 教えてもらい、インポートのときにも階層構造は失われてしまうということを知る。
うーん。 これでは役に立たない。
先日ご紹介した書籍 『パターン指向リファクタリング入門』を、 「結城浩の日記」の読者さんに無料プレゼントいたします。 以下のテンプレートにしたがって、 feedbackの欄からお申し込みください。
〆切は、 2005年8月5日(金) です。 (すでに抽選は終了しました)
日本国内限定、冊数は1冊(ごめんなさい)、料金は無料(送料も不要)です。 当選した方にはメールで住所をお尋ねします。
注意:お送りするのは結城のサイン本ではありません。 また、『パターン指向リファクタリング入門』は結城の著作物ではありません。 念のため。
テンプレート
■あなたのお名前 ■メールアドレス ■あなたはどんな方?(お仕事や年齢、趣味など) ■最近あったうれしいこと、かなしいこと ■結城の本を読んだことがあれば、その感想など ■結城に「こんな本を書いてほしい」というご希望があれば ■そのほか、結城の活動に関して、感想をご自由に
例
■あなたのお名前 佐藤花子 ■メールアドレス hanako@example.com ■あなたはどんな方?(お仕事や年齢、趣味など) 情報系の大学院の学生をしています。 いまばりばり論文を書いているところ。 でも、ついついWeb巡回をしてしまう優柔不断なXX歳です。 RSSは麻薬的です。 ■最近あったうれしいこと、かなしいこと うれしいこと…うーん、思いつきません。 しいて言えば論文のテーマがうまく決まったことぐらいでしょうか。 論文書きが忙しくて、好きなミステリを読む時間が取れないのがかなしいこと。 ■結城の本を読んだことがあれば、その感想など 『暗号技術入門』は楽しく読みました。乱数の章が特に勉強になりました。 『プログラマの数学』は知っていることの再確認でしたが、 高校生の従兄弟に読ませたところ、結構受けていました。 ■結城に「こんな本を書いてほしい」というご希望があれば Rubyの入門書をぜひぜひ。 初心者に教えるのに適切な、オブジェクト指向の分かりやすい本。 それから、読んでいて目からうろこが落ちるような新しい視点の本。 (抽象的ですみません) ■そのほか、結城の活動に関して、感想をご自由に 結城さんの日記を毎日読んでいます。最近更新がないので残念です。 お体に気をつけてよい本をたくさん書いてください!
プログラマのみなさんに良書をご紹介します。
『Refactoring to Patterns』の邦訳が 『パターン指向リファクタリング入門』 として出版されることになりました。 出版は来月、でもアマゾンでは予約がはじまっているようです。 この本はパターンとリファクタリングの関係を明らかにし、 その両方を実践的に学ぶのにとてもよい書籍です。 ご興味のある人は読むことをお薦めします。 翻訳はウルシステムズの小黒直樹さん、村上歴さん、高橋一成さん、越智典子さんです。
結城は翻訳には関わっていませんが、 訳書のはじめに「日本の読者への紹介文」を書きました。 編集者さんから依頼を受けて翻訳原稿を読み、 そこで感じたことを、 「パターンは、リファクタリングの道しるべ」 という小文にまとめたものです (そのときの経緯は、以前日記にもちょっと書きましたね)。 『パターン指向リファクタリング入門』をお読みになるときには、 結城の小文もあわせてお読みいただければ感謝です。
ちなみに、結城の小文は Ralph JohnsonとMartin Fowlerの前書きに続いて置かれています。 ミーハーな私は心の中で「キャー♪」などと叫んでいます。
はてなダイアリーライター(はてダラ)Version 1.2.0を公開しました。 今回の修正は、はてなダイアリーのログインシーケンスが変わったことへの対策です。 といっても実際のコードを書いてくださったのは、なんばさん(id:rna)です。 結城はそれを取り込んだだけ。なんばさん、ありがとうございます。
多忙、多忙。
何だかとっても忙しいんですけどー。
校正のPDFがやってきたので、校正。
月曜日は新たな気持ちで仕事をする。
「朝ごとに、ものみな新たに始まり、朝ごとに、世界は新しくなる」 というのは『赤毛のアン』の一節だっただろうか。
Google EarthでPrince Edward Islandに飛ぶ。 家内が横からのぞきこんで「そうそう、赤っぽい土地だったわね」と言う。
yucoさんの、 LとRの発音(RをRらしく発音するにはウをつける)を読んで思い出した。 小さな子はRillaと発音できずWillaになってしまう。 『アンの娘リラ』にそんなシーンがあったはず。
「bloglines.com」から「はてなRSS」へ購読RSSを移行する手順。
「bloglines.com」と「はてなRSS」でどちらが使いやすいかは微妙な感じ。しばらく使ってから判断する。 はてなブックマークとの連携はなかなか楽しいですね。 シナジー効果(オトナ語)?
先日、書籍の紹介文を書くという仕事をしました。 書籍の本文が始まる前に置かれる2ページほどの紹介文。 推薦文といってもよいです。 そのような文章を書くのは、私にとってはじめての経験です。 自分の本の紹介文ならいくらでも書けるのですが、 他の人の本の紹介文を書くのはなかなか難しい(でも楽しい)お仕事でした。
まず、本を読んで内容を理解しなければなりません。 それから、その本をほんとうに自分が紹介したいか (読者にお薦めできるか)の判断も必要です。 この企画を結城にご提案くださった編集者さんには 「大変申し訳ありませんが、読ませていただいてからお断りするかもしれませんよ」 と念を押してから読み始めました。
さて、内容も理解したし、ぜひ紹介文を書きたいなと思った。 では、次にどうするか。
次に「読者のことを考える」わけですね。 文章を書くときはいつもそう。 読者のことを考える (村長さんも賛成してましたね)。 この本を手に取った読者を想像する。 その人は何を感じているだろうか、何を考えているだろうか、この本に何を期待しているだろうか、 と真剣に想像する。
そして、その読者に向かって、話しかけようとしてみる。 それが文章を書く第一歩でしょう。
紹介文を書いた書籍については、 近日中にまたアナウンスします。
(2005-07-23) アナウンスしました。
クリスチャンの方から 「ネットで神さまのことを伝えていきたいけれど、 コンピュータのことはよくわからないので、アドバイスをお願いします」 という主旨のメールをいただきました。 自分でソフトを使ってページを作らなくちゃいけないのかな、でもよくわからないな、 ということでしたので、以下のようなお返事をお送りしました。
主の御名を賛美します。 メッセージありがとうございます。 最近では、自分でソフトを使ってページを作るのではなく、 ネット上にある日記サービス(ブログサービス)を使うと 手軽にはじめられてよいですよ。 おすすめは「はてなダイアリー」というサービスです。 無料です。 http://d.hatena.ne.jp/
後から、結城のページも送ることにする。
6月のはじめに「サーバの負荷が高い」とプロバイダさんからご連絡をいただいて、 継続的に負荷対策を行ってきました。 先日、プロバイダさんから改善されましたとのご報告をいただきました。 よかったよかった。
今回は、トラフィックの多さではなくサーバマシン自体への負荷だったので、 主にCGIをHTML化するのが対策の中心でした。結局やったことは次の通り。
上記に付随して行われたこと。
以下は関連日記のエントリ。
はてなの近藤さんが週末を別荘で過ごした、という話題。 なかなか素敵な話ですね。
ところでシンプルに暮らす、シンプルに考えるためには、 「テレビを見ない」というのがとても大切だと思うのですが、 みなさんはいかがでしょう。 私はこの20年以上、テレビを見ない生活をしています。 といっても別にそれほど厳格に見ないわけではなく、 「テレビを日常的に見る習慣がない」ということですけれど。 私の知り合いにもテレビを見ない人がたくさんいますね。
スティーヴン・キングも、C.S.ルイスも若い時代にテレビを見なかったようです。 スティーヴン・キングは『文章作法』の中で「ガラスのおしゃぶり(テレビのこと)は時間を食いすぎる」と表現しています。 C.S.ルイスの時代にはテレビではなく、ラジオでしたが、よい文章を書くためには「まずラジオを消す」とアドバイスしていました。
※上記の話は、記憶に頼って書いていますので、細かい点では誤っているかもしれません。
まず、テレビを消す。 そして、静かに本を読んだり、祈ったり、考えごとをしたり、文章やプログラムを書いたりする。 そういう生活は大切だと思います。
ここ数日、ろくに日記を書かなかった。 すると、文章がうまく書けなくなっていることに気づいた。 どんなことでもよいから、 日常的に文章を書いていないと、 文章を書く力はすぐにさび付いてしまう。 プログラミングの能力もそうかもね。
アルファギーク naoyaさんの permalinkの話を読みながら「Webの世界は、たかだかcountableなんだなあ」と思った。
2005年、後半の始まりですね。
あなたのご意見・感想をお送りください。 あなたの一言が大きなはげみとなりますので、どんなことでもどうぞ。