> 結城浩の日記 > 2008年8月 | 検索 |
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月末繁忙期。原稿を書いていましたが、もう寝ます。 いちおうめどはついた(はず)。
たくさんの読者さんから、『数学ガール』のさらなる続編希望!や、 『数学ガール』のシリーズ化希望!というお便りをいただいています。 なんだか、とてもうれしいです。みなさん、応援ありがとうございます。
喜びつつ、祈りつつ、感謝しつつ眠ることにします。 神さまがなさるすべてのすべてに、感謝。
月刊コミックフラッパーで連載中の『数学ガール』がいよいよコミックスになります。 編集部さんからの連絡によれば、 2008年11月22日 発売予定とのことです。 「いち、いち、に、に」ですね。 どうぞご期待ください!
前作に引き続き、韓国の出版社から『数学ガール/フェルマーの最終定理』に翻訳のオファーがありました。 感謝します! 韓国の読者さんも整数論(とユーリ)に萌えていただけるでしょうか。 (そういえば、猫語はどう翻訳されるんだろう…)。
というわけで、昨晩は『数学ガール/フェルマーの最終定理』の打ち上げでした。 お世話になった編集長、デザイナさん、そしてある出版社の編集者さんとの食事会となりました。 たいへん有意義な時間をありがとうございます。感謝。
『数学ガール』という《世界》が持つインパクトや意味について深く考えさせられたひとときでした。 ドキドキとワクワク、そしてそれを支えるreasoningの意義についてもう一度きちんと振り返りたいと思います。
編集者さんからお聞きした「数学の先生方の反応」を思うに、 ミルカさん、テトラちゃん、ユーリ、そして「僕」は、 想像以上に大きな一歩を踏み出したのかもしれません。
まあ、そんな著者の思いはさておき、 次世代を担う若い読者さんたちに《考える喜び》が伝わればいいですね。
ここ数日あれこれ考えていた本の目次をざっくりまとめて編集部へメール。
まったく新しい何かが、始まろうとしている。
午前中は家族みんなで礼拝。 午後から家電のお店に寄る。 午後4時頃に家内がホットケーキを二枚焼いて、四人で分けっこした。 今日はお昼寝はしなかった。
マインドマップツールFreeMindをバージョンアップしました。 0.7.1ではできなかったデフォルトフォントの設定もできるようになっているし、 キーアサインも変更できるようになっているし、 なかなか好印象。 「ノード同士に矢印を張る」という機能(CTRL+L)もよいですね。
FreeMindで章立てを考えているとなかなかいい感じ。
今日は何だか穏やかな一日でした。 気温が低くて涼しかったからかな。 読者さんから送られてくるメールを感謝しつつ読み、 本を何冊か読み、リコーダーを吹きました。
数学ガールの話題ばかりなので、たまにはソフト紹介でも。
FreeMindはいわゆるマインドマップのツールです。 結城はたまにこのソフトを愛用しています(たまに使っているのに「愛用」っていうのか?)。 といってもマインドマップのツールとして使っているわけではなく、 単なるアウトラインプロセッサとして使っています。
何がいいかというと、シンプルで手軽なところ。 操作してみるとかなり直観的。 覚えている操作は以下にあるくらい。
一通りアウトラインを作ったら、最後にHTMLでエクスポートしています。あとはWebブラウザでテキストに変換し、秀丸で細かい編集。
とここまで書いてきて、結城が使っているバージョンは0.7.1とずいぶん古いことに気づきました。 現在のバージョンは0.8.1のようです。
p95095yyさんが、 Web版の数学ガール「ミルカさん」をノベルゲーム風に再構成してくださいました! 感謝しつつご紹介いたします。 p95095yyさん、公開前にご連絡いただき、ありがとうございました。
追記:
上で「公開前にご連絡いただき」という表現をしたことに関して補足します。 Web版の数学ガールはPDFの形で数点公開しており、自由にダウンロードしてお読みいただけます。 でも、これは無制限にフリーに利用できるテキストではありません(たとえば、書籍を作られたら困ってしまいます)。 ので、今回のノベルゲーム風のように全文利用して作品を作った場合に、公開前に許可をとっていただけたのはありがたいです。
さらにもう少し追加します。 「数学ガール」の文章を直接使うのではなく、 いわゆる「インスパイア」されて作られた作品については、許可は不要ですし、 (よっぽどのことがなければ)うるさいことは言わないはずです。
コラボ作品活動は、基本的に大歓迎です。 ご連絡いただければ、おそらく結城の日記などからリンクさせていただくことになると思います。
たとえば、以下のようなさまざまな「作品」が「数学ガール」に関連して生まれています。 みなさん、いつも数学ガールを応援してくださり本当にありがとうございます!
みんな心にそれぞれの数学ガールを。
今日は、コミック版『数学ガール』関連のお仕事を少ししていました。 来月発売のフラッパーで連載第7回目になります。早いものですね。
フラッパーの連載をごらんになっていない方のために簡単に紹介いたします。 コミック版『数学ガール』は、結城の『数学ガール』をベースに、 日坂水柯さんがコミカライズした作品です。 原作とはエピソードの順番を入れ替えたり、内容を多少変更して、 コミックとして非常に巧みに再構成しています。 ちょうど『数学ガール』の変奏曲を聴いているような感じですね。
ゆっくりしたペースになっていますけれど、 数学もきっちりやっています。 数式もばっちり出てきます。 それでいてもちろん、青春ラブコメ(?)にもなっているという不思議な趣きです。
月刊コミック誌の連載漫画で、
行列や複素数の計算、因数分解と展開の解説をするというのは、
おそらく世界初の試みではないでしょうか? (^_^)
「コミックスになるのはいつですか?」 という問い合わせも読者さんからいただいていますが、 詳しい情報が決定次第、またご紹介したいと思います。 ぜひご期待ください。
コミック版としてイラスト化されているわけですけれど、 原作ファンの読者さんの中には「ちょっとイメージ違うなあ」 と思っていらっしゃる方もいるかと思います。 でも、数学ガールが広い範囲の読者さんに届けられるために、ゆるりと応援していただければと思います。 実際、コミック版によって原作を知りましたという方もたくさんいらっしゃるようです。
よろしくお願いします。
みんな心にそれぞれの数学ガールを。
今日は日曜日。 何はともあれ、お祈りお祈り。
『數學少女』は、青文出版社による『数学ガール』中国語繁体字版の翻訳です。 「青文出版社輕小説官方公式Blog」に、 SD wingさんによる本文イラスト(一部分)が公開されていましたのでご紹介します。 七枚のイラスト、どのシーンかわかりますか?
テトラちゃんが「僕」を呼ぶときの「先輩」という呼称は「學長」になるのか…おもしろいなあ (^_^)
。
よよPさん(yoyodyne)の「すうががー」の歌も 「日本網友利用Vocaloid軟體製作的數學少女主題曲」としてリンクされています。
結城が英語でコメントを書き込んだら、すぐに中国語に翻訳されていました。 すごいですね。
みんな心にそれぞれの数学ガールを。
次に書く本についてあれこれと考えて楽しい時間を過ごしています。
本の校正のときは、やることがはっきりしています。 原稿と向かい合うしかありません。ひたすらひたすら読む。長門結城的な毎日。 H.Yuki> また図書館に
でも、次に書く本を考えているときとは、モードがずいぶん違います。 自分の心をとにかく広く広く広げる。遠くの地平線のその向こうまで見るような気持ちで、自分の四方を見渡す。 自分の手がまるで大きな大きなコンパスになったような心持ちで、ぐるーりと巨大な円を描く。 「よーし、ここまでは届くかなあ。いや、もっと行けないかな?」などと考えつつ。 自分が、現在の段階で、その領域の境界部分を詳しく知っているかどうかはあまり考えない。 でも、数ヶ月の後に、その境界付近にある「とっても面白いところ」に接近できるかの見込みは立てる。 …私が次に書く本を考えているときには、そんなことをイメージしているように思います。
書き始める時点では知らなくてもよいけれど、 書き終えた時点ではかなり詳しくなっているはず…という案配を見極めるのは難しい。 つまり、自分がすでに知っていて何も考えなくても書けるという難しさの本だと、 私は書いていてつまらなく感じる。 それよりも、調べつつ・考えつつ・謎解きしつつ書かなくちゃという難しさの本がよい。 そのときに大事なのは、 自分が「ほんとうに、ほんとうにわかった」 というレベルまで考えること。 まあ、でも、そのレベルまで考えたかどうかは、 本を書いてみればかなりわかるのですが(物語の形にできれば、もっとよくわかる)。
その「レベル」というのは、他の人との比較ではない。 自己基準で構わない。他の人の理解より浅くてもいい。 でも、現在の私はここまで理解できた、と明確に感じ取ることがポイントかもしれない。 他の人との比較をしないというのはとても大事。 自分の絶対評価でよい。だから、焦る必要はない。
たとえば、恥ずかしながら、結城は「互いに素」という概念を一年前はよく知らなかった。 最大公約数が1であること、というのは知っている。 でも、しっくりこない。テトラちゃん的に言えば《わかった感じ》がしないのだ。 今回『数学ガール/フェルマーの最終定理』の「互いに素」の章を書いて、かなりわかった感じになりました (ほんとはもっと長い章にしたかったけれど、本全体の構成上割愛しなければならなかった)。 そのときの感覚というのは、不思議でして、 結城自身がユーリの立場になって、 「僕」やミルカさんから教わっている感覚になります。
っていう話は以前も書いているはず。…あったあった。
先ほど編集部から連絡がありまして、 『数学ガール』が増刷するそうです。
「え、先週増刷したばかりなのに?!」と驚いたのですが、 増刷したのは、『数学ガール/フェルマーの最終定理』のほうではなく、 昨年出版した『数学ガール』のほうでした。 いずれにしましても、 全国で応援してくださっているみなさんに感謝、感謝です。
感謝しつつ、何点か長めの感想をご紹介します。
ぼんやりと「次は何の本を書こうかなあ」と考えています。 いや、それは不正確ですね。 次の本として何を書くかはもうだいたい決まっていて、「どんな本にしようかな」と考えているのでした。
参考書をぱらぱらとめくってメモをしているうちに、 ふと「そういえば、昔書いたノートを読み返してみるか」と思いつきました。 本棚からここ数年書きためたノートを引っ張り出してみると、十数冊も出てきてちょっとびっくりしました(半分がSlimB5ノートでした)。 中を開けてみると、本や連載の構想などがけっこう真面目に書いてありました。 数学ガールに出てきた問題の計算を何度も何度もやっていたり、 各章のテーマをどう構成するかを検討したり、 それとあいまって、ミルカさんやテトラちゃんたちの会話の断片をメモしていたり。 コンピュータ上だけではなく、紙の上でもずいぶん考えていたんだね、と我ながら再発見でした。
ノートに関する日記は以下。
毛色は違うけれど、似た話題。
午前中は教会。すべてのすべてに感謝して、お祈りお祈り。
午後からネットで『数学ガール/フェルマーの最終定理』の書評を検索してにこにこしています。 みなさん、ありがとうございます。
何点か、長めの感想文をご紹介します。 感謝、感謝です。
e-honにて、『数学ガール/フェルマーの最終定理』のプロモーションが行われているのでご案内します。 一週間、e-honのトップページに『数学ガール/フェルマーの最終定理』が登場するようです。 「立ち読みコーナー」もありますので、どうぞご利用ください!
よよPさんの作曲した「数学ガール」に、「絵をつけてみた」動画が公開されているのはみなさんもご存じかと思います。
で、実はそのUp主さんは、NEOROSIのmyuさんであることがわかりました (も、もしかして、知らなかったのは私だけかもしれませんが)。 ハンドルは公開しても構わないと教えていただいたので、ご紹介いたします。
以下は、ミルカさんの一枚絵です。 素敵ですね。
NEOROSIのmyuさんが、『数学ガール/フェルマーの最終定理』に登場するメインキャラ四人を描いてくださいました。 ミルカさん、テトラちゃん、ユーリ、それに「僕」です。 これは…! これは、すごいです。思わず見入ってしまいました。ありがとうございます。
これまでにもたくさんの方が数学ガール関連イラストを描いてくださいました。 感謝、感謝です。
こういう活動は大歓迎です。 数学ガールのイラストなどをWebで公開している方がいらっしゃいましたら、 ぜひ 数学ガールのフィードバックのページから教えてくださいね。
コミック版数学ガールも、8月5日に連載第6回目になります。どうぞお楽しみに。
みんな心にそれぞれの数学ガールを。
先ほど編集部から連絡がありまして、 『数学ガール/フェルマーの最終定理』が早くも増刷するそうです。 発売日が先週30日でしたから、まだ一週間経っていないのに! 全国で本書をご購入してくださったみなさんに深く感謝します。 ありがとうございます。
今日は日曜日。 何はともあれ、お祈りお祈り。 お祈りって、自分が握りしめている何かを放すような感じがする。
『数学ガール/フェルマーの最終定理』が出版されて、 早くも弾さんが書評を書いてくださいました。ありがとうございます。 本書の内容を的確に読み取り、また表現してくださっていることに深く感謝します。 特に、本書が表現しようとしている「学び」の一側面を、 かなり深くとらえてくださっていることをとても嬉しく思っています。
少し引用させてください。
それでも、この三冊のブルーバックス、そして Simon Singh のあの「フェルマーの最終定理」と比べると、 本書のとっつきやすさはすごい。「僕」と一緒に見る加算、じゃなかったミルカさん、テトラちゃん、 そしてユーリちゃんの話を聞いているうちに、数学がわかった「感じ」がするのだ。
(中略)
…本書では「数学ガール」たちがあなたについている。 テトラちゃんはちゃんとつまづくべきところでつまづくし、 それをミルカさんが厳しく、あるいは「僕」がやさしく助け起こす。 読者はここでは孤独ではないのだ。
あなたのご意見・感想をお送りください。 あなたの一言が大きなはげみとなりますので、どんなことでもどうぞ。