> 結城浩の日記 > 2010年7月 | 検索 |
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第5章をレビューアさんに送付。 難産でした。 全部で10章を予定しているので折り返し点といってもいい。 明日からは第6章になる。 祈りつつ進もう。
高校二年生の読者さんから『数学ガール』のご感想をいただきました。 許可を得てご紹介いたします。
読者さんから
去年の夏ごろ、数学の先生が数学の授業でこの本をすすめていました。 文系に進みましたが、今年の夏、図書室で発見して読み始めております。
まだまだ、読み始めたばかりで数式や考え方への理解もあやふやです。 が、数学の面白さにとても感動しています。 数学や数字というものは、人の心をまるで無視して進んでいると思っていました。 ですがこの本は、数学の中に人というものを感じられそうです。
数学は好きです。でも難しい。この本を読んで、 数学の魅力を改めて発見したい。 もっと数学を好きになりたい。と思い始めています。
結城から
こんにちは、結城です。 ご感想ありがとうございます。とてもはげみになります!
あなたが「もっと数学を好きになりたい」という思いを抱かれたことは、 著者としてたいへんうれしいです。
高校二年生は、何かと忙しいときだと思います。 どうぞ貴重な日々を十分に生かし、豊かな時間をお過ごしくださいね。
あなたの毎日が、そして未来が、祝福に満ちたものになるようにお祈りしています。
あっという間にまたまた一週間。
日々こつこつと執筆は続けているのだけれど、第五章で詰まっている。 思い切っていくつかの節を削除したら、ずっと読みやすくなった。 はみだした部分を削除するまでにこれだけ時間がかかるということか。 うーむ。
あっという間に一週間。
日曜日は礼拝。暑くて何となくぼうっとしてしまった。 梅雨はもう明けたのかな。
この土日で、17冊の本をPDFに変換した。 断裁機(裁断機)とScanSnap大活躍である。
編集部から連絡があり、 2010年7月15日(木)17:15ごろから、 関西テレビの番組「スーパーニュースアンカー」で『数学ガール』が取り上げられるとのことです。 残念ながら東京では放映されません。
ご連絡まで。
家族ぐるみで楽しんでくださった方から『数学ガール』のご感想をいただきました。 許可を得てご紹介いたします。
読者さんから
高専1,2年生の2人の息子と中2の娘がいます。
高専は数学の進みがはやく、一度つまづくと大変。 数学に苦手意識を持たず楽しんで欲しいと、教科書以外の理数系読み物コーナーを探索していて、 「数学ガール」を見つけました。 親子4人、それぞれの立場で読ませていただきました。
ユーリちゃんと同じ年ということもあり、一番楽しんでいたのは、中2の娘。 兄の通う高専の図書館に蔵書があったため、購入を迷っていた時、
「今はわからなくても、いつかわかるかもしれないから、ずっと家にあるほうがいいから、買ってください。」
と、言ったのも彼女です。 「数学ガール」という、言葉の響きに魅了されたようです。
「円周率が星と一緒で無限にずっと続くのって神秘的やろ。」 「三角関数って不思議だと思わない?」 「いろんなこと、悩んでるみたいだけど、数学者が何百年も悩んでもわからない問題がいっぱいあるんだから、15年足らずで人生の答えを出す必要ないよ。」
中3の時、天体観測の校外学習で望遠鏡で星を眺めなら新卒の数学教師である先生が熱く語ってくれました。
それからは、テトラちゃん状態。
≪わかってない感じ≫≪どうしてこう書くのかな≫って悩むあたりも同じですし、 教科書にはない数学を教わるのがとても楽しみでした。
中学卒業後も、先生の声を聞きたさに自宅に電話をして質問してました。 少しでも長く話したいので、なるべく難しい質問をしたり… 計算問題はなんとかなるのですが、図形の証明問題を電話ごしに 「図と質問内容を説明」し「教えてもらう」のは、もどかしくも楽しい時間でした。
私は、体が弱く、先生と出逢ったのも病弱養護学校。 一般高校に入学したものの欠席はあたりまえ、休学・留年等順調な学生生活ではありませんでした。 自主退学も何度か考えましたが、数学と先生を通して、学ぶことのおもしろさをもち続けることができ、 なんとか卒業することができました。
長男が中3の時、たまたま一緒に解いた証明問題が「ヒポクラテスの月」 (後からweb検索して名前を知りました)でした。
ピタゴラスの定理を使って、面積が同じことを証明できるなんて…πが消えた瞬間 「三角関数って不思議だと思わない?」30年近く前の先生の言葉がようやく、理解できました。 【三角形の面積】=【月の面積】神様からの素敵な贈り物ですね。 全ての物を神様が作られたと深く感じました。
「あなたへ」に書かれていたように、数式はながめるだけにして、 テトラちゃんにどっぷりと感情移入し、時に涙しながら読ませていただきました。
【理系男子】に【憧れる女子】の気持ち、図書室でのかくれんぼ、 「出合えたのは偶然じゃなくて—奇跡なんですよ!」2巻のエンディング… 「もしかして私の話?」と思えるような、エピソードが満載でした。
中学時代に素敵な先生に出逢えた奇跡に感謝しながら、
このような素晴しい本を書いてくださった結城先生と神様に感謝いたします。
結城から
すてきな思い出と感動をシェアしてくださってありがとうございます。 単なる「お勉強」を越えて、数学という大きな大きな物語を味わっていらっしゃる様子が伝わってきました!
ご家族のみなさんに神さまからの豊かな祝福がありますように!
気がつくと七夕でした。
Twitterをやっていると、ほんとにWeb日記の更新が少なくなりますね。 自分の作業の振り返りが細かい単位で出来てしまうからかも。
最近はちょっと気分を変えて、第5章の執筆を中断し、 これまでに来たレビューアさんからのフィードバックをファイルに転記しています。 以下の(1)〜(4)のうち、(3)の作業になります。
* * *
そういえば、先日、とある編集者さんと執筆者さんと食事をしたときのことを思い出した。 結城は、執筆の時間をほぼ無制限に使ってできるだけ短いテキストを書こうとする。 でも普通は、短い執筆期間でどれだけの内容を書けるかという執筆スタイルになることが多い、という話題。 つまり、時間と分量の関係がほぼ逆転している。
結城のような執筆スタイルを取れるのはとても恵まれているといわれて、 そのときはそうだなあ、感謝、と思った。 でも、よく考えてみると、 どちらの執筆スタイルが良い/悪いとは単純に言えないようにも思えてきた。 どちらにもメリット・デメリットがあり、陥りやすい過ちもそれぞれにある。
そう単純な話ではない、と思った。
あなたのご意見・感想をお送りください。 あなたの一言が大きなはげみとなりますので、どんなことでもどうぞ。