白夜クイズ

結城浩

2004年2月5日

夜遅く帰ると、家内と次男は眠っていて、長男だけが起きていた。 ふとんの中から私に「お帰りなさい。クイズ出して…」と眠そうな声を出す。

結城「夏は、なぜ暑いんだろう。地球が、太陽に近くなるからかな?」

長男「ん? …ちがうと思う。日本は夏、暑いけれど、そうでない国もある…」

結城「ふむふむ」

長男「地球の地軸が傾いているからかな?」

結城「ほほう! じゃあ、地軸が傾いていると、どうして夏が暑いんだろう」

長男「えっとねえ…。太陽が照っている時間が長くなるから、かな」

結城「うん、いいね!」

(注意:後から気になって調べたところ、これは間違い。 太陽が照っている時間よりも、太陽の光に地面に対する角度が重要なのでした)

結城「それじゃ、次の問題。 地球上で、一日中太陽が見えるところはあるかな?」

長男「ええと、北極や南極?」

結城「そうだね。時期にもよるけれどね。一日中太陽が照っているのは何ていう?」

長男「知らない」

結城「白い夜と書いて…」

長男「ひゃくや?」

結城「違う。白い夜と書いて、びゃくや。地軸が傾いていなければ、一日中太陽が照っている場所は、南極と北極の二点しかなくなる」

長男「ふうん」

結城「そのとき、南極や北極では太陽はどんな位置に見えるだろう」

長男「どこかな」

結城「きっと、地平線すれすれをぐるっとまわるんじゃないなかあ」

長男「ねえ、お父さん。もしも地軸がこうなっていたら(太陽と地球を結ぶ線と一致していたら)、どうなるかなあ。地球の半分は一日中昼になるよねえ」

結城「そうだね。残りの半分は一日中夜。」

長男「それじゃ、まるで月みたいだ」

結城「なるほど、なるほど。…はい、それではおやすみね」

長男「おやすみなさい」