あなたのことを、応援しています

結城浩

2001年3月8日

「あなたは好きなことをしていて仕事になるからいいわねえ」 と家内からよく言われる。 確かに自分でもそう思うんですが、 もともと、好きなことしかしていない、という話はあります。 でも好きなことをどんどん推し進めていると、 いつかどこかで仕事に結びついてくれるからうれしい。 私はお金儲けってあまりうまくないし、 お金のことを考えて仕事をすることって少ない (そして会計担当の家内からは「もっとちゃんとして!」とクレームがつくのだが)。 プログラム書きでも、雑誌の連載でも、ホームページの運営でも、 本を書くことでも、メールマガジンでも、メーリングリストでも、 自分の心に響くこと、「これは面白い」と心から思えることをやっていると、 それがいつか仕事として形になり、結果としてお金にもなる。 そういうパターンが多くてとてもありがたい。 感謝なことである。 神さまの恵み(というか、あわれみ)なのかもしれない。

しかし、今でこそ、こんなに達観したような、 偉そうな文章を生意気に書いているけれど、 20代の頃はずぇんずぇんこんな感じではなかった。 いろんなことがつらかった。自分の居場所がない、 自分はいったい何をしているんだろう、何をすればいいんだろう、 どうするどうする、…とドタバタしていたのをよく覚えている。 無駄なこともたくさんしたし、馬鹿なこともたくさんした。 荒れ狂う波に浮かぶ木の葉のようにふらふらゆらゆら…。

だから、思うのだ。 あの頃の私のような時期を、いま、過ごしている人がいる、と(実年齢とは無関係)。 そういう人に、心からエールを送りたい。 「人生」には本当にいろんなことがある。 あなたの現在の知性ですべてを判断しないで。 本当にいろんなことがある、いろんなときがある。 喜ぶときがあり、悲しむときがある。 愛するときがあり、別れるときがある…。

これを読んでいるあなた。あなたのことを、応援しています。

神さまの励ましが豊かにありますように。