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このページでは、 書籍『数学ガール』への感想をご紹介しています。
このページでは、 書籍『数学ガール』への感想をご紹介しています。 現在は、草稿を読んでくださったときにレビューアさんから送られてきた感想を集めてあります。 みなさま、ありがとうございます。
※細かな言葉遣い、誤字脱字、章番号のずれ、ネタバレ部分などを修正した以外は、 読者さんの言葉をそのまま掲載しています。
◆ おのれ、鈍すぎだ主人公。 いったいどこのラヴコメの主人公かっ。
◆ 暗算クイズは 頭の体操っぽくってものすごく楽しめました。 正解できないとくやしいくらいの問題なのが、すばらしいです。
◆ 映像化したとしたら、「僕」やミルカさんは、誰になるのでしょうね^^
◆ 読んでいて非常に楽しく,わくわくするような感覚を覚えました。
◆ ミルカさん、ナチュラルに誘惑キャラだなあ。 主人公が激しくうらやましい。
◆ Web上で不定期にときどき書いていたとは思えないくらい, スジが通ってるというか,あとの方のなんとなく伏線みたいになっている,というか….
◆ 「連続的な世界」と「離散的な世界」を楽しく行き巡ることができました。
◆ テトラちゃんの恋の行方が楽しみですね。
◆ ミルカさん登場部分は、難しくはなりますが 厳密に追わなければペンを出さなくても分かるかな、という程度だと感じました。
◆ 私としてはミルカさんよりもテトラちゃんの方が好みなので, テトラちゃんの章はなんとなくほっとしますね. (テトラちゃん派)
◆ あ、もう終わってしまった。 やっぱりミルカさんが出てこないといまひとつのらないなあ。 (ミルカさん派)
◆ フィボナッチ数列は知っていたのですが、 このような方法で一般項を求めることができるのを 初めて知りました。 すごく、ドキドキしました(興奮)
◆ うおっ、ミルカさん予想外にデンジャーだな。
◆ 「数学は言葉を大事にする」そうか。そうなんですね。
◆ 楽しく読みました。すでにレビュアーではなくて単なる一読者でしたw
◆ 脳みそが沸騰していたので、(この章の)最後のエピソードは、すくわれる思い。
◆ 母関数ってロマンがありますよね.
◆ 「僕」が息を呑んで感動したシーンは、とても劇的な描写でした。 いや、本当に楽しきオイラー先生の方法!
ミルカさんのところの話は私には難しくて、つい挫折しそうになります。 でもテトラちゃんの話を読むとホッとしますし、もっと読んでみようという気持ちになります。 なぜならテトラちゃんの回で数学の知識が増えるからです。 実際、かつて学んだ数学を思い出して、 再度ミルカさんの回に戻ってみたりもしました。
この章で出てきた内容は知識(公式?)として知っていたし, むかーしどこかでそれが定数であることを論文の中で使った覚えまであります. けど,『なぜ』なのか,ということは,考えたことがありませんでした. だから,この章の内容には,けっこう衝撃を受けました. 高校生レベルの数学でも,これをある意味で「証明」できるんですね. 驚きました.
「テイラー展開」という言葉がでてきて,大学時代に使っていた教科書を引っ張り出して調べたのですが, 学生時代は何か複雑な式だなと興味も持てなかったのですが, 本章を読んで,とても興味を持てるようになりました(^^)。 複雑でなんかとっつきにくいテイラー展開を,面白く,興味を引くように書かれておりほんとすごいと思います。
先ほどの繰り返しになりますが,本書を読むことによって数学を学ぶことの楽しさを味わうことができると思います。 また,自分なりにもう少し調べてみようという姿勢も養うこともできるのではと思います。 実際,私も昔の教科書を引っ張り出したり,Webで調べたりするようになりました。
第2章は分かりやすかったです。 テトラちゃんと「僕」との会話は私にちょうどよいくらいの内容で、 私もテトラちゃんと一緒に「僕」の説明に聞き入ったような感じです。 式の変形の説明や恒等式・方程式の説明、数式がずらっと並んでいるときにも、
恒等式の連鎖は、式変形の途中経過をスローモーションで見せるのが目的だ。 だから 《わ、式がいっぱいある》と後ろ向きの気持ちになってはいけない。 一歩一歩読んでいけばよい。
『数学ガール』より引用
なんて「僕」の説明が入って、本当にテトラちゃんになったつもりで読みました。
それにテトラちゃんはほっといてもかわいいので安心。。。 全体として読みやすい章です。そして、とても重要な章だと思います。
私はこの本は、この2章まで読んでこそ、どういう本なのか分かる本のように思います。 数学の本としても、読み物としても。 ここでミルカさんとテトラちゃんが初めて揃うわけですし、 テトラちゃんというキャラクターが、 数学が苦手な人が感情移入できる存在として読者の前に現れることも重要です。 ここで展開されるテトラちゃんと「僕」の会話も、とても重要。
2章まで読めば、数学が苦手な人も、たぶん先を読もうと思うと思います。
文句なしに面白かった! ラノベを読み慣れたイマドキの若者としてはストーリー部分も違和感なく楽しめたし、 数学部分もなんとか筋を追えました。 わたしは数学は II までしかやっていないのでほとんど知らない話題で、 非常に興味深かったですね。 出版されたら書き込みしながらもう一度読みたいです。
離散的な世界での微分が「差」だというのは習いました(か、論文を読ませられたか)。 画像処理での輪郭線抽出の初歩は微分処理ですが、 それはすなわち隣のピクセルとの差を取ることだという様な内容で聞きかじってます。 でも、そこにとどまらないで、もっと一般的な関数の微分を考えたときにこんな面白い世界があるのかと思います。 とくに指数関数! 離散の幅(スケール?)を1から1/2にしたらどうなるだろう、とか考えて自分で式展開してみたりしてました。 この作品の魅力は、やっぱり「自分で手を動かして式展開とかしてみたくなる」という気にさせてくれるというところなんだと感じます。
第10章の「僕の発表」は,それまでの説明がしっかりなされているので, 非常に理解しやすいと思います。 ここまで読み進めてくるまでに母関数についての理解も深まっているので, 母関数を使って何をやりたいのかという目的も自分でしっかりと把握できるようになっています。 図も自分の考えをまとめるのに役に立ちました。
「素因数分解の一意性を守るために? そんな勝手な定義で良いんですか?」
『数学ガール』より引用
テトラちゃんがこう言った感覚は、分かる気がします。
私たちが必要性や有用性に応じて定義(あるいは公理)をつくり、 それに基づいて議論を進めていこう——という姿勢。 私は、これを認識するようになるまでにだいぶん時間がかかりました。
学校の先生の話をただ聞いたり、教科書を普通に読んだりしていると、 無意識のうちに「定義は与えられるものであり、既に決まったことなのだ」と規定してしまいます。 けれども、「なぜそのように演繹するのか」というレベルから一歩踏み込むと「なぜそのように定義すべきなのか」との問いが生まれ、 それについて自分なりに考えていくうちに、定義ということについて理解が深まるのだと思います。
第5章はテトラちゃんがメインなので、少しほっとしました。 私の数学の知識は、ずっと中学生レベルで止まっていて、 あらためて数学を学び始めたというか、興味を抱くようになったのは、 いわば必要に迫られてという感じです。
50歳を過ぎて数学を学び始めたわけですが、学校の授業とは違い、 自分のペースで、興味を持った事柄だけを学んでいくので、これが楽しい。 しかし、階段を上るようにひとつひとつステップを踏んでいく学習方法ではないため、 すぐに壁にぶち当たってしまう。 基礎的な事柄をぜんぜん理解していないからです。
で、今回は、私が常々、疑問に思っていたことをテトラちゃんが代わりに聞いてくれたので、 ありがたかったです。しかしrを二乗した式から、 相加相乗平均の関係まで導出できることは驚きです(さっそく覚えた言葉を使ってみるなり)。
僕は、自分の好きなことをしているだけなんだよ。 好きなことに時間を使う。好きなことに手間暇かける。 誰でもそうだよね。 深く、深く、考えていたい。 ずっと、ずっと、思っていたい。好きってそういう気持ちでしょう?
『数学ガール』より引用
第5章の「相加相乗平均の関係」の元になった「テトラちゃんと相加相乗平均」をWebで読んだのは、 中学校3年生のときです。 この文章、特に「僕」の台詞は、私に大きな影響を与えました。
その後、宮腰忠 『高校数学+α』 (共立出版)を読み始めたり、 他にもいろいろなことがあったりして、 勉強の仕方というか、物事との接し方というか、 いろいろなことが変わってきた(そして、今も変わり続けている)と思います。
その端緒のひとつとなったのが、この「テトラちゃんと相加相乗平均」なのだ、 と思います。そういうわけで、とても思い入れのある文章です。
わかっていない感じ。 問題は解ける——そこそこ解ける。 授業もわかる——そこそこわかる。 でも、本当にはわかっていない。
『数学ガール』より引用
とうとう,テトラちゃんの登場ですね。 「階段教室」でテトラちゃんが言っている台詞は,高校生にはとても共感できる部分だと思います。 私もテトラちゃんに自分をダブらせてしまいます…。
ミルカさんからの宿題を解く部分もとても面白いですね。 数式がたくさん出てきますが,しっかり追っていくと理解できます。 また,等比数列の和の公式の証明も初めて知りました…。 やっぱり私の学習も公式を覚えるだけの勉強だったなと反省しつつ, 反省を未来に生かしていきたいと思います(テトラちゃんのように)。
テトラちゃんとの台詞のやりとりもすばらしいですね。 勉強の進め方について非常に参考になりました。 本当に分かりやすく読みやすく, そして数学の魅力に引き込まれていく内容だと感じました。
数式は数学の言葉。 数式の向こうには、あたしにメッセージを伝えようとしている書き手が必ずいる。
『数学ガール』より引用
いいですね〜。テトラちゃんの登場で、 数学落ちこぼれの私にもわかるように数学の基礎的な事柄を噛み砕いて説明してくれているので助かります。 「恒等式」と「方程式」の違いなど、わかっていたつもりでも、 あらためて、こう説明されると「なるほど〜」と目からウロコが落ちる思いです。
因数分解と展開も「積の形と和の形」になるんだと、非常にわかりやすく、すっきり納得しました。 「学校の先生は、どうして先輩のようにていねいに教えてくれないんでしょうか……」 というテトラちゃんの言葉は、本当に中学、高校の時代に戻り、 先生に言いたいくらいですが、 それよりも、当時の私に「数学ガール」を読ませてあげたい。
第4章を読ませていただきました。とっても面白い内容でした。 すべての節が関連しあって,スムーズに流れていくような感じです。 読み進めながら,フィボナッチ数列の一般項が導かれたときにはホント,感動しました。
どんどん,数学の世界に引き込まれていくような感じがします。 楽しい小説を読むとき,読み始めたら一気に最後まで読んでしまいたくなるような感覚が本書にはあると思います。
数学なんて役に立たないさってうそぶくことはできる。 でも、そのうちきっと《役に立たないから読まない》ではなく《役に立てたくても読めない》になってしまう。
これまで自分が知り得た手がかりを元にして、少しづつ答えに近づくんだ。 すべてが一気にわかるとは限らない。わかったところに楔を打ち込み、 梃子を使ってぐいっと岩を動かすんだ。 既知の鍵で未知の扉を開くんだ。
すばらしい証明を読んで《これはすごい》と感動する経験も大事だ。
『数学ガール』より引用
すばらしい言葉が並んでますね。
「世界に素数がふたつだけなら」ですが,面白いです。 説明も,まず2つの素数だけと仮定したあとで,m個にしているので, 非常に分かりやすいと思います。 最後に○○が出てきたときには, 背中がゾクゾクしてしまいました。
さきに, 「すばらしい証明を読んで《これはすごい》と感動する経験も大事だ」 とありますが,ほんと,本書でそのような経験をしているなと思います。
本書を読む前は,数学を勉強するとどんなことに役にたつんだろうと思いながら勉強していましたが, 今は,純粋に楽しいから勉強しているという感覚になってきました。
ほんとにすばらしい本だと思います。
手を動かして、第7章の計算を追ってみました。 「僕のノート」にある「たたみ込み」の意味などは、まだよく分かっていませんが、 とりあえず、どういう計算をやっているのかは分かりました。
何よりも、読んでいて楽しい!
具体例で試す、一般化、検算という一般的手法が(ゴシックとして)強調されているのが興味深く感じました。 ポリアの『いかにして問題をとくか』 を思い出しました。 さて、問題を考えてみようというときに、どのようなことをやってみようか、 ということが示されていて、教訓になるのではないでしょうか。
「コンボリューション」に限らず、他の章でも、式変形がとても丁寧で、 読みやすくなっています。ペンを持ち計算して行間を埋めなくても、 文章を目で追っていくだけでも読み進めることができます。
「ねぇ,きみ,おもしろいと思わない?」という文章を見て, かつて自分が女の子に「きみ」と言われたことがあるかどうか, 考えてしまいました….う〜む,20歳くらいのときに, かつての同級生の女の子に言われたことがあるなぁ〜. 結城さんの『数学ガール』をレビューしていると, 昔のことをいろいろと思い出したり考えたりしてしまいます. そしてそれは,悪くない感じです. なんかミルカさんって,いわゆるツンデレ系(最近覚えたテクニカルターム:-) なんですかね.デレのところがいつ現れるのか,楽しみです.
それは、厳密な定義を求めるというよりも、適切な定義を求めるプロセスだ。 二つの世界を行きめぐる旅。この自由な感覚はなんだろう。 この楽しさは、いったいどこから来るんだろう。
『数学ガール』より引用
読んでいてまさに上の引用部のようなことを感じていたもので、章末に来て「僕」と共感しました。 偶然の一致に「いとをかし」。
読んだ後、こう、verbalize しにくいのですが、とっても不思議な感覚です。 自由に行きめぐる(私の中では、雲に乗って移動するイメージ。高いところから全体を見渡す、ということかなあ)。 一歩一歩、足元を確認しつつ歩いていくというよりは、「旅」、ですよね。
本当、この章の雰囲気は、上の引用に要約されると思います。
うーん。読んだ後、ポジティブな不思議感が残っています。 何なんだろうなあ……。 数学をやっていると、一歩一歩確かめながら、振り返りながら、 厳密に進んでいこうとします(それは、学校の数学が感覚的な理解にとどまっていることと対立して捉えられるかもしれません)。 けれども、いろいろな例を見たり、人が考えているところを見たりしている中で、 自由に行きめぐって、ふさわしい何かに触れる、というのも、どこかにあるんだろうなあ……と、 もやもやと感じます。で、ミルカさんが実際に(「僕」と一緒に)行きめぐっている。 論理を理解することとも、また違うような気がする。 どこか不思議で、楽しいのです。
調和のある構造を感じます。
(Webで公開されていた文書と)比べてみました。 フィボナッチ数列を捕まえるくだりは、《二つの国を渡り歩いて数列を捕まえる》という比喩になっていて、 よりダイナミックな感じがしますね。旅の地図として視覚的に見せているのもいい〜。 また、最終的な一般項の数式がよりエレガントな形になっているのにも驚きました。 計算はニガ手なので、「エクセル」で検算してみると、 ちゃんとフィボナッチ数列になっている。
ところで、この章テトラちゃんは、早々に登場シーンがなくなり、残念。 ミルカさんひどいよ〜。私としてはテトラちゃんの登場シーンが多いほど、 理解できる部分が多くなり、うれしいのだが……。
「参考文献と読書案内」を読ませていただきました。 高校生向け,大学生向けなど,細かく分類されているので, 本書を読んでさらに勉強してみたいと思ったとき, スムーズに取り組んでいけると思います。
最後までレビューをさせていただきました。読み終わった感想ですが, 数学の面白さを実感できたことはもちろんですが, 考えることの楽しさや分かることの楽しさを味わうことができる本だと思います。 今,高校生に教えていますが,勉強が嫌いな子というのは, 分かったときの充実感を味わう機会があまりなかったんだろうと思います。 私が今回味わった「分かることの楽しさ」を 今後の教育活動に活かしていきたいと思います。
嬉しかったのは、複素平面の話題が扱われていたことです。
今の高校では、複素平面を教えません。 i は 2, 3, 4 次方程式との関連で登場するだけです。 数学の先生も授業中、どこか寂しそうにぼやいていました。
「 i の本当の面白さと(問題を解くときの)怖さが伝えられない」
そういう中、複素平面(というよりも、単位円上の回転という概念)をさらりと導入し、 その後の文章が続いていくのは、読んでいて非常に気持ちのいいものでした。 シンプルでわかりやすい説明だと思います。
本書は,読んでいて本当に楽しい本ですね。 まるで自分が主人公になったような感覚も覚えます。 本書を通して,
などを学べるような気がします。なんだか教育の革命すら起こりそうな気もします。
オイラー生誕300年なんですね….私もオイラー路の問題とか, 馴染みが深いんだなぁ….本当に数学は『時を越える』という感じがしますね. 私も300年とは行かなくても,50年くらいは生き残る論文を書かなくては! と思いました.うむ.
今回のレビューは,私にとっては,いろんな意味でもっとも実りが多かったように思います. 特に『母関数』がグッと近付いてきて,自分でも使える武器になったように思います. 今までは他の人の論文の中で使われていると, 「ふーん」って感じだったんですが,今回のレビューを通じて, 『そのうち自分の論文の中で使ってやろう』と強く思いました. どうもありがとうございました.
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