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このページでは、 書籍『数学ガール/フェルマーの最終定理』への感想をご紹介しています。
このページでは、 書籍『数学ガール/フェルマーの最終定理』への感想をご紹介しています。 現在は、草稿を読んでくださったときにレビューアさんから送られてきた感想を集めてあります。 みなさま、ありがとうございます。
※誤字脱字、章番号のずれ、ネタバレ部分などを修正した以外は、 読者さんの言葉をほぼそのまま掲載しています。
それにしても、『数学ガール』はいい本ですね〜! 数式が丁寧なのがとても気持ちいいです。 ほんとうに中学生や高校生のノートみたい。 この1行1行が大事なんですよね。 あまり行数がふえすぎて1問を考えるのにページが何ページにもなってしまって、 ときとして自分が何をやっているのか、解こうとしている問題はなんだったのか 自分の居場所がわからなくなって、森をさまよっている・・・ でも、その心細さや、整理されていないもやもやした感触も含めて、 数学を楽しむってことなんだろうなぁ!ということを感じさせてくれます。
私も図書館じゃないけど、 自分のうちの食卓でいろいろ補助線引っ張ったりして試行錯誤して楽しんでた中学時代を思い出しました。 書くのって大切ですよね。
お母さん、出番は少ないけどいいキャラ! 気遣い上手で料理上手、とんちがきいてて逞しくて。 少し男言葉っぽいところが素敵だ。
ユーリちゃん、 かわいい。このやろう。かわいい。 序章ということと、個人的に整数が好きなので、流れにのってうきうき読めました。 数のほんとうの姿、私たち自身のほんとうの姿、どんなんだろう…。
「僕」の仕掛けた言葉遊びにとっさに反応できるとは、 ユーリちゃんは頭の回転がよくて、ユーモアのある子なんですねぇ。
ユーリみたいな子は、ミルカさん、テトラちゃんよりも 身近にいそうな感じがしました。
第1章の題材 は、私にもすんなり入り込めると同時に数の美しさを目に見える 形で表してくれるので、とても楽しく読めました。 最初の最初、第1章にはすごくいい題材だと思います。
さりげなく、 数学は無限まで扱えることまで触れていて、 なるほどこの話を際限なくすすめていくといつか無限にまでいってしまうな、 というのが直感的にわかっていいな、と思いました。
(第一章) 面白かったです。一気に読んでしまいました。 「一見単純な問題なのに詳しく見ていくと色々面白いことが見えてくる」 という数学ガールの特徴がよく現れていると思います。
2章読みました!読んだ直後のホカホカの感想を御届けしますw
結城さんの文章はすごいです.僕は数学大好きですけど,結城さんの文章を読んでいると もっと好きになりそうな気がしてきます.最後のページの引用なんて感動して泣きそうです.
第2章もとても面白く,そして刺激になる内容でした.私も,普段の研究で,「僕」のように 問題に正面から素直に向き合って取り組めるようになりたいです.
本文にも書かれていましたが,ほんと,「数式の森を歩いている僕にとって, 重要な事実は目印のリボンのようなものだ」というのを実感します。
一般形を求める手順やミルカさんの解法も丁寧で非常に分かりやすかったと思います。
「整数って,二次方程式や微分積分よりもやさしいと錯覚していました。」
というセリフを読んだとき,ほんとそうだよなぁと実感しました。
最大公約数とか互いに素という考え方は,中学校や高校低学年で学習し, 微分積分などは高校高学年で学習するので,微分積分が高度な数学というイメージを持ってしまいますが, 第1,2章を読んで,中学時代に習ったことに,こんなに奥深さがあるんだなぁと思ってしまいます。
『数学ガール』の魅力は、たんなる数学書ではなく、 そこに青春恋愛物語をシンクロさせていることであることは、まちがいありません。 物語の中で「僕」や「テトラちゃん」に感情移入するように、 あたかも、数式を美しいと思う感情や、数式が姿を変え、新しい発見をしたときの感動を覚えます。 それは、公式を丸暗記するような無味乾燥な数学ではなく、 俳句に込められた情景や心を読みとくような、人間のメッセージを読みとく数学に変えてくれます。
全般的に,とても面白かったです.流れがいい感じですね. 読みながら「こうすればいいじゃん」と思ったら,それが次に書いてある感じ.
そういえば,ユーリとミルカさんは,互いに素,なようなそうでないような…. 「僕」は女性二人に挟まれるといつもタジタジで,面白いですね. 結城さんの文章は,とてもよく練られてますよね.見習いたいところです.
ああ、この証明の気持ちよさ。高校時代の数学の勉強を思い出した。 特別得意でも苦手でもなかったけど、がりがり証明するの好きだったなー。
証明終了。もう一度読み直したい。 昔わかってたつもりだし、今回もわかったように感じるけど、 何か色々こぼしている気がしてもやもやする。
「先輩——あたしが、いま、何を考えているか、わかりますか?」
あ、問いかけがまた出てきた。
自分で考える女の子、一緒に考えることを楽しめる女の子はステキだな。 テトラちゃんみたいに、新しい道を見せてくれてありがとう、と言える人であるよう心がけようと思いました。 ミルカさんみたいな才女もステキだけど、自分はそういうタイプではないからなぁ。
自分の頭と手を動かす時間をたっぷりとらなければ、授業も本もまったく無意味だ。
素敵にいい言葉。 こういうメッセージが頻繁に出てくるのが特徴ですよね。
ミルカさんが
《整数の構造は、素因数が示す》
《有理数の構造は、整数の比が示す》
って歌ってたのが効いてくるのがとってもよかったです。 まだここのあたりは十分中学生でも頑張ればついていけるんじゃないかなと思いました。 これくらいの難易度で読めるのはいいなあ。
「数学」に関して、自信のなさというのは、改めて問われると、ちゃんと説明できないことだな、と実感します。 その点で「数学ガール」は、レンガを積み重ねるように、 基礎の部分から、しっかり教えてくれるので、堅牢で美しい建築物になるのだという印象を持ちました。
本文を読んでいるうちになんとなく整数の扱い方が分かってきたかのような気分になれました。 (自分の手で練習をしたわけではないので、身についたわけでないとは思いますが(笑)。) 特に偶奇を調べたり、積の形にしたりといった手法は、これまで意識したことがほとんどなかったので勉強になりました。
何だか今まで自分で考えるとか、自力で勉強するとか、標榜してやってきてはみたけれども、 まだまだ甘いと感じました。というか、今までは「読む」ことだけでもう大きな目標だったのだけれども、 実はそれだけじゃないんだ、そこから先の方があるんだ、先へ進んでいい/進むよりほかないということに気がつき始めました。
数学ガールの彼女/彼たちは、自分で歩いていますよね。
「素因数分解の一意性」は「数学ガール」(前作)でも登場して、面白く読みました。 理解が甘い人間なりに、とても素敵なものに見えます。 単なるイメージですが、数学の国にいくつか道標の石や塔が立っていて、 その中でもこの「素因数分解の一意性」というのは、やたらでかい塔に見えます。 一意になる高い山を発見したんじゃなくて、一意とする塔をここに 建てた人がいて、それでこの先の数学が遠くまでよく見えるんだろうな、という感じで。
なにより数式をあまり読めなくても、キャラクターの会話も伴って、 数学ってなんか面白いなあ、と思わせてくれるところがすばらしいです。 最初の方は難易度低めの方がよいと思っていたので、2章の難易度が低めでよかったです。
テトラちゃんの台詞にゾクゾクする思いをしました。 いつしか、目が離せずに、一字一句、ゆっくりと大切に読んでいました。 それは(私にとっては)「感動する」という感覚です。 この貴重な体験に、感謝します。 ありがとうございます。
この章も大変読みやすかったです。ユーリとの会話部分はかなり平易で、すらすらと読めました。 すらすらと読めると同時に、結構興味深い内容ですね。
あとユーリのキャラクタがちょっと垣間見えてきたところも良いですね。 すぐ「わかんない」と言っちゃうところなんかは、数学が得意でない私からすると結構感情移入で きる要素もあります。
ミルカさんがとても凛々しくてかわいいです。 ミルカさんのキャラクタが出ていてとてもいいです。凛々しいシーンなのだけど、やさしさも 見え隠れしてとてもいいシーンでした。
それにミルカさんの説明は流れるように進んでいくのに、前と後ろがきれいに繋がっているので 一緒に進みやすいです。一緒についていったらいつの間にか幾何の世界に来てた。面白いです。
この章、とても面白かったです。数学の話も特に分かりにくいと感じる部分もありませんでした。
私が『数学ガール』がいいなぁと思うのは、 数学と物語のバランスが絶妙だからなのだろうと思います。 そこでいう物語は史実ではないですが、 数学が生み出されるひとつのプロセスですよね。
第7章は特に「数学の教え方」についてとても参考になる章だと感じました。 中高生に数学を教える人、特に家庭教師や塾講師をしている大学生には ぜひ読んでもらいたいと思います。
前半は数学的には易しい内容ですが、「数学の教え方、考え方」が詳しく丁寧に 描かれていて「数学ガール」の特徴がよく出ていると思います。
また、数学を教わっているときのユーリの反応のリアルさには苦笑してしまいました。
群論の章ですが、私はちょっとかじっただけの分野なので、 テトラちゃんといっしょにミルカさんに教わる気分で読ませていただきました。
一読して、完成度の高い章だと感じました。
特に群の定義を確認してゆくあたりはとてもうまく説明されていると思います。 群論は大学の数学科か物理や化学の特定の分野でないと習いませんから、 「閉じている」や「集合と演算をセットで定義する」といった言い回しに慣れている 読者も多くないと思います。なので、具体例をあげてそれが群であるかどうか 丁寧に公理と突き合わせて確認されている部分は多くの読者にとって価値があると思います。
また、読者が疑問に思うことも的確に予測されていると思います。 私の場合、疑問に思ったことがすぐ直後に解説されていたので前のページに戻って確認しなおしたりといったこともほとんどありませんでした。
今回は私の専門とはだいぶ違っているんですが,すごーく楽しく読めました. 結城さんの勉強家ぶりにも感服しました.私もがんばらなくっちゃ.
銀縁眼鏡派です。 萌えは大切です(拳を握る)
正直申しますと、「お兄ちゃん」という文字列を見た瞬間に、 「ベタに世のにーちゃん方のウケ狙いの設定やな!」 とツッコんでしまったのですが、同時に自分の過去も懐かしく思い出しました。
私に兄はおりませんが、年上の人に教わるのは好きでした。 子供の頃は、近くの従兄(銀縁)の家を訪ねるたびに、部屋の 本棚にある本を読むのが楽しみでした。 おかげでこういう、何でも「大人」に訊けばいいと思ってる、人前で 間違えることを厭わない呑気な「子供」が育ちました(笑)
第1章の図は、幼い頃に熱中したことがあります。 数学的に見ればこう説明できるのか、と、とても面白かったです。
こんなに長い証明は暗記できないにゃあ
そうそう。暗記しようとする人が多いですよねぇ。 文系には暗記で数学を乗り切る人もいますよね。 まあ、受験数学はそれでよいのでしょうけど、もったいない。 私は暗記が苦手だったので、公式さえテスト中に導き出してた…。
(命題について) ホットケーキを食べながらまた大事な話題。 こういうのは数学の訓練をきちんと受けていない(か、聞きのがした)人にとってはとても大事だと思う。
整数の取り扱い(偶奇を調べる、とか、因数分解が整数の構造を見せてくれるとか)についてここまで何度か出てきた結果、 読んでてすんなりと理解できていました。 あ、ここで因数分解だな!なるほど!とか、自分が理解できているようで楽しい。
「うん,証明ができなくても死ぬわけじゃないから,」
あたりを読んで, 「プロの数学者は証明ができないとメシが食えない」と反論してました. でも大学のセンセイは授業ができればメシは食えるかなぁ….
(背理法の解説) ユーリの「なるほどにゃ」のあたりで,私も「なるほどなー」と思ってました. 命題論理の否定の扱いと絡めた説明は,すごく良いと思います.
この章もとてもわかりやすかったです。ちょうどわかってなかったところを、 ちゃんとユーリが一緒につまずいてくれて、「僕」が解説してくれます。 高校時代は、公理、定義、命題、証明といったこのへんの用語をきちんと把握せず、 漠然と問題を読んでいたのだなと、再確認させられます。
「もし、わからない言葉が出てきたらどうすればいい?」
「その本の索引を見よう」
これは当たり前だけど、きちんと教わっておきたいところです。 はっきり言ってくれてありがとう!>「僕」 という感じ。
第4章を拝見しました。丁寧だな〜!の一言につきます。 教科書だと多くても2ページ分の説明を、 ユーリのつっこみにときほぐしてもらいながら、 本当に丁寧に説明してくれているなぁ〜と思いました。
「すばらしいアイディアだ」
(複素平面) 確かにすばらしい! このアイデアは記憶に残りやすいし覚えやすいしすっきりしてて とっても気持ちがよかった記憶があります。
まずは、セオリー通り、実例で理解を確かめます。
すばらしい。テトラちゃんもわかってきましたねぇ。 これが楽しいんですよねぇ、数学って。プログラミングも同じ感じ。
より広い複素数の世界を心に描くと、 そこに埋め込まれている実数の世界もすっきりと理解できる。
これは本当にそうだなと思いました。みごとな考え方だなあと。
偶奇が関係あるだろうという所までは分かりましたが、 そこからの進め方が思い付きませんでした。 テトラちゃんに負けたのはくやしいです。
ミルカさんは、多項式環を$x^2+1$で割るというより保守的なやり方も知っていて、 敢えて公理的なやり方を選んでいるのではないかという気がします。 着実にステップを踏むよりも、想像力を大切にする、それこそオイラーのような態度ですね。
今回は(自分にとって)問題の複素平面です。 ……あれ、おかしいな。素直に理解できた気がします(笑) これと同じ解説を高校の時にも聞いてて、特に複素数の積で絶対値 と偏角が出たあたりで混乱した気がするのですが。
存在するかしないか、ではなく、マイナスもiも「そのように定義 した数」なのだ、というのは、頭をガツンとやられた感じです。 そうやって「作って」組み上げていくものなんだなぁ、と感嘆します。
複素数の説明で、こんなわかりやすい解説を見たことがありません。スッキリ納得という感じです。 「一次方程式で数を定義する」を見せた上で、「二次方程式で数を定義する」ことで、 理解しづらい不可思議な「複素数」のイメージを掴むことができます。
そして、論理の力ってすごいんだなぁ……と思いました。人間が認識できるものの限界というか、 その壁を壊して新しい世界の光を見ることができるのは、論理の力なんだと。
ミルカさん大胆過ぎ!
(第6章) なんか今までに全然ないくらいの急展開でびっくりしたんだけど、 実はやってる数学の内容も とってもハードルが高いので、読むのにはすごく大変な章でした。
「公理に矛盾がなければ存在する」ミルカさんが即答した。
これはまさにゲーデルの完全性定理ですね。 ポアンカレやヒルベルトもそう解釈できる言葉を残していますが、 ミルカさんが完全性定理を意識せずにこんなことを言うはずがないでしょう。
僕が一番驚いたところは, テトラちゃんが普通に「楕円曲線というのは,何かの集合のはずです」と言い切っているとこです. もう完全に数学者の考え方になってる気がします.素晴しい成長っぷりです.
(第6章) 第6章で急に話が「動いた」印象を持ちました。 1つは、物語での大事件。 1つは、1〜5章までは高校の数学の授業で学んだ「板書で見た記憶がある」内容だが、第6章の「群論」は初めて目にしたこと。 そしてもう1つは、ここには、私が高校時代にどうしてもわからなかった、数学の「文法」の話が書いてある、 そしてこの章を読んでその理解の手がかりが「見つかった」、と感じたこと。
読んでいてものっ凄くテンションが上がりました。 たぶん、きちんと理解できてはいないのです。でも、ここに「わからなかったことの核心」がある! という印象を強く受けたもので。 わかりやすく、とても面白かったです。
いまの時点では、『数学ガール』の面白さを、
本物の数学を、 まっこうから、 丁寧に、 臆することなく、 登場人物の生きる時間に即してリアルタイムな気持ちで 新鮮に扱っているから
と分析しています。 それに、結城さんのお人柄と文才と品のよさが加わって。 (人によっては「萌え〜」の部分が大きいのでしょうが(^^))
数学の本を読むときにほしいのは、 中途半端なサービス精神や 筆者にとって過去となっていることを上から目線で伝える言葉ではなく、 本格的であるという感触と、ここ一番の丁寧さと、 “いまこの瞬間”という臨場感・・・なのかな〜〜なんてことを、 『数学ガール』を読みながら感じています。
「∈」などの見慣れない記号が登場するだけで、ちょっと、ひけてしまいます。 日常にあふれる概念だけど、日常使う言葉ではないからかも知れません。 数式を普段、扱っている人には、そういった感覚はないのかも、しれないですけど。
で、高校生たちは、何の苦もなく、使いこなしています。 やっぱ、若いときに吸収したもの、教えてもらったこと、 あるいは、自分が積極的に学んだことは、 身につくというか、身に浸みて忘れないような気がします。
ユーリの 「待って待って」 「いま何をやってたんだっけ」。 たぶん、初めてこの箇所を読む人の中には、ユーリと同じように感じる人 も多いんじゃないかと思います。だからこの台詞があって、安心しました。
テトラちゃんの告白は,数学で躓いたことがある人なら とても共感できることだと思います.僕も同じことを考えたことは 何度もあります.もっと深く数学を読む力が欲しいです.
最初にひと言「すばらしい!」。 私は「フライ曲線」や「楕円関数」、「モジュラー」などの言葉の意味はわからないし、 まして、数式を追って理解するのは、とうにあきらめていましたが、そんな私でも「フェルマーの最終定理」を解いた気になりました^^;
(オイラーの公式) 「第9章」を読んで、完全に理解できたとは言えませんが、おおよその道筋というか、その仕組みのイメージを抱くことができました。 すばらしいです。そして、ありがとうございます。
初めて読んだときにはちんぷんかんぷんだったのに、 ゆっくり丁寧に読んでいくと、よくわかるし、 なんでこんなことになるの!?と本当に不思議ですね〜〜! よく気づいたなぁと思うのですが、気づいたというより造ったのか? どこまでが発明で、どこからが発見なのでしょうね〜〜
サイモン・シンの本の後半で「楕円」「モジュラー」という言葉がとびかっていて、 イメージがつかめないまま読み進んで、 本自体はとても楽しめたし、現代数学に触れているという感覚は味わえたけど、 それでもやっぱり現代数学の表面にそっと触れているだけで、 所詮シロウトの私はその中身をつかむことはできないのだ、 という気持ちがあったのですが、 ミルカさんやみんなにあんなふうに説明してもらうと、 中身の肉はつかめなくても、 その骨組みの論理展開は私にもちゃんと見ることができるじゃないか〜! という気持ちになってきて、なんだかうれしいです。
フェルマーの最終定理が理解できないとしても、 それが証明された時代にリアルタイムで生きているってことは、 考えてみれば実はものすごいことだよなぁ〜〜と思いました。
いまさらだけど、数式は手を動かしながらちゃんとはじめた。 (...) 《共通の素因数がない》というのはすごい。特に相手が素因数分解できる形だったときに。 というのはメモをとらないと体感できなかっただろう。
あわてものの私は条件をすぐに見落とす。だんだん女の子たちが手強くなるのが面白い。
公理が定義を生みだしている
この発言はすっきりしました。なんとなく「こういうルールがある、それでこういうことが定義できる」ってものだと感じてました。 さらに進んでるのは「こういうルール」を数式化してることで、あるいは数式化することに意義があるんだな、と感じました。
群論のここまで丁寧な入門ははじめて読んだ気がします。 大体、集合をぽんぽんって定義して、それにのっとって、、というのが大半だから。 わたしにとってはいいものを読んだという感じです。 ただし、読むのは大変。 (...) 5章からつづけてここまで1時間30分くらい。楽しいのだけど大変。 ちっともライトじゃないです。ああ、でも楽しいなあ。 レビューとか感想とか言うより、ただただ学んでしまいました。 やっぱりねばねば読まねばいけませんね。
それです! その「全部組み立ててる」感じがわかった気がしました。
「ほんとうに何もない」ところに1本線を引いて、「ここから地面ね。 地面とは何かというと……」「すると重力が生まれる。重力とは何かというと……」と説明しながら、最後には家が建っちゃうような。
私が結城さんの説明が素晴らしいと感じたのは「一次方程式で数を定義する」で、 「負の数」の数の概念を、もし、持っていない人に説明するには、どうしたらいいかを考えたことです。 私たちは、すでに「負の数」という概念を手にしていますので、「負の数」をイメージすることができます。 それと、同様に「二次方程式で数を定義する」で、「複素数」の説明に及んだとき、 私は、二重にインパクトを感じました。ひとつは、「あ〜なるほど」という疑問が解消されたことと、 音速を超えたときのような衝撃です。 「論理」の力によって、ひとつ上の次元の目を持つことができることです。 ほんとに「数学」は、素晴らしい。
そっか〜〜 これは言われてみれば納得というか、言われるまで気がつかなかったのですが、 結城さんのなかにテトラちゃんやユーリや僕やミルカさんがいるわけですよね! 結城さんが書いているのだから驚くことではないのだけれど、 テトラちゃんもミルカさんも結城さんの外にいるような感触がありました。 それだけテトラちゃんもユーリもミルカさんも(もちろん<僕>も) それぞれイキイキと生きているということなのでしょう!
いやあ、青春だなぁ^^; ちょっと演出がクサイとゆーか、恥ずかしい部分もあるけれど、これは、これで、萌え〜^^;
それにしても、「僕」は本当にもてますね。 でも淡々としてるし。すごいなあ。
7.8章は、とても「数学ガール」らしい、物語も数学も生き生きとした楽しい章になったと思います。
前半の mod の話題は、受験の整数問題でも扱われる分野なので、ちょうどよい機会でした。
後半の「環・体」に関する記述では、第6章の群の定義と比較しながら読み進めました。 群を含めた、集合と演算の考え方が、より体にしみこんできました。 「何の演算に関して群(環・体)なのか」を意識するようになってきました。
modと合同式のお話、とても面白かったです。 今回もテトラちゃんが自分と同じところでつまずいたり同じ感想を 持ったりして、ミルカさんの解説を引き出してくれます。
ひとつ面白いなぁと思えたのは僕とテトラちゃんの共通点です。 僕から見たテトラちゃん、ミルカさんから見た僕、またはその逆をうまく相似の関係にもっていっているのが非常に楽しめました。 物語の中で「僕」は常に冷静に一歩下がってテトラちゃんを見ていて、テトラちゃんの「条件忘れ」という点について少しだけ上からの目線になっています。 ところが翻ってミルカさんと対峙している時は、「条件忘れ」というわけではないのでしょうが、まさに僕に対するテトラちゃんになっているわけです。 この関係がこのまま続くのか、それとも僕、テトラちゃんの成長によって少しずつ形を変えていくのかが非常に楽しみになりました。
"よしここでテトラちゃんの出番"と思った次の瞬間に、 「ああああああっ!」 と言ってくれたので嬉しかったです。(本当に)
改めて「無限降下法」にロマンを感じました!!
やはり私にはユーリちゃんパートの解説がわかりやすいです。 前作は難易度が高いと感じた人間にとっては、ユーリちゃんさまさまです。
「数学ガール」の世界では、「僕のこと」をみんな大好きで、 「僕」は「ミルカさん」やみんなが大好きで、そこをつないでる一番素敵な絆が数学だというのは、 眩しくも羨ましいのです。 うん、そうだ。きっと羨ましいんだ。
この章は式の中の文字がどんどん増えていっても、明解でした。 自分では、らせんを描いて降りていく映像が思い浮かびました。 でも床があるから無限のはずはないんだ。きれいですね。 ……おかしいな、なんだかこの間から難しさが減ってきた感触です。
自分で証明の式を立てろと言われたら、今も絶対できないのです。 テトラちゃんと同じです。 でも、彼らの各々の理解度は一貫していて、本を読み進む私の理解度が変わってきているのだとしたら。 私はテトラちゃんよりは少し「僕」寄りの理解に進んできたのかも? だといいですけど。
今回は、 ミクロの旅ですか^^; 時間の経つのも忘れて、のめりこんじゃう「僕」の気持ちもわからないではないなぁ……。 たった、ひとつの数式から、これだけ遊べるなんて^^;
第7章に引き続き、 このまま自分の気のむくまま、森の中の別方向を探索したくなる気持ちと、 とりあえずはフェルマーの最終定理に向かって、 『数学ガール』にいざなわれるままに進もうじゃないか、 という気持ちの間を行き来しております。 その行き来は不快ではなく、むしろ楽しいです。
ところで、私は前知識がほとんどない状態で読んでいるので、 へぇ〜、そうかぁ〜、なるほど〜、 と思いつつ読ませていただいているのですが、 数学のプロのレビューアの方がいたら、 『数学ガール』のオリジナル度合いがわかって、 さらに面白いのでしょうね!
実際,昨晩,7章を読んだ後,6章も読み直してみたのですが,6章を読んだだけでは混乱していたことが, ちゃんと点と点が線で結ばれたような感じがしました。 なんだか,どんよりとした雲空から,晴れ間がどんどん広がっていくような感じです。 そのくらい,本章は読んでいて楽しく,読み進めることができました。ページ数は多いですが,その多さも感じないほどでした。 実は,前章を読んだとき,先の章を読み進められるか,不安になったのですが, 本章を読んでみて,それも吹き飛んだ感じです。
昨日,一昨日と時間があったので,1章から読み直してみました。読み直すたびに, 新たな発見があって新鮮です。群・環・体についても, 最初,読んだときより理解が深まったと自分では思っています。
(第9章) 端整な章ですね。 結城さんの定番料理をいただいたような、 スタンダードナンバーを聴いたような、 そんな気持ちになりました。
ユーリちゃんの登場で少し易しくなったせいか、 引き込まれるように読んでしまいました。 AやCに具体的な数を入れながら少しずつ理解していきました。 紙に自分で式を書いてみると、理解が進みますね。 「互いに素」という概念になじむまでは苦労しそうです。 最後のミルカさんの話はついていけなかったのですが、 この問題とピタゴラス数の問題が対になっているというのが 面白いですね。架け橋がこの本のテーマなのだと思いました。
「ああああああっ!」
テトラちゃんが、数学にこのようにアクティブに反応してくれるのは 嬉しいですね。数学がexcitingなものなのだと思ってもらえるのは。
これまでの9つの章で雑多にしか見えない形で取り上げられていた いろいろな話題がこの章でフェルマーの最終定理に関連付けられていく姿は圧巻です。
数学の面白さを伝えるという意味で、これ以上なく成功している本だと思います。 どうしても、数学の内容が中心になってそれを作り上げている人間たちの動きが無視されるか、 お話オンリーになって数学的なことがおろそかになるかのどちらかになりがちなので。 数学をやることでお金をもらっている私たち数学者よりも、 はるかにうまく数学のことを多くの人に理解してもらうことに成功しているわけで、 とても感謝していると同時に申し訳なく思っています。 このような形で協力できて本当に良かったと思っています。
(第10章) 今回は,ちょっと読むのをためらってしまいました. その理由は「終わって欲しくない!!」からです. でもついにがまんできなくなって,週末に読んでしまいました. うー,終わってしまった.残念 ;-)
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