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結城が実際に読んでおもしろかった本を紹介しています。
『世界に一つだけの花』SMAP
生きるのに他の人と比べる必要はない。あなたはかけがえのない存在なのだから、というメッセージ。
『フェルマーの最終定理—ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』サイモン・シン
数学者ワイルズがフェルマーの最終定理を解くまでの物語。
ワイルズは自分が最終定理に挑戦していることを秘密にしたまま、
屋根裏の仕事場で、たった一人で定理の証明に立ち向かう。
恐ろしく強い精神力。
証明が失敗しそうになったあと、何とか自力でそこから抜け出し、
逆転勝利するところは、泣ける。
『エレガントな宇宙—超ひも理論がすべてを解明する』ブライアン・グリーン
『沈黙の惑星を離れて マラカンドラ火星編』C.S.ルイス, 中村妙子
ナルニア物語を書いたC.S.ルイスによる「神学的SF」三部作の第一部。
言語学者ランサムは、邪悪な科学者ウェストンに捕まり、
マラカンドラという星に連行される。
ランサムはそこでその星の住民たちと奇妙な交流を持つ。
初めは未開のように思われたその住民たちと生活しているうちに、
実は「未開」なのは自分たち地球人の方なのかもしれないと気がつく。
そうしているうちにランサムに再び追手ウェストンが近づいてきて…。
『ヴィーナスへの旅—ペレランドラ 金星編』C.S.ルイス, 中村妙子
ナルニア物語を書いたC.S.ルイスによる「神学的SF」三部作の第二部。
ランサムは再び宇宙へ飛び立つ。
惑星ペレランドラの浮島に見出したのは、
その星の「エバ」であった。
ペレランドラの「エバ」が地球と同じように罪に堕することになるのか、
それとも地球では得られなかった恵みにあずかることができるのか。
ランサムは再びウエストンに戦いを挑む。
『フォックス家の殺人』エラリイ・クイーン著、青田勝訳
結城はクイーンの推理小説が好き。
多数の作品の中で最高傑作の1つがこの
『フォックス家の殺人』ではないかと思っています。
セピア色の事件。
『いかにして問題をとくか』G.ポリア著、柿内 賢信訳
歴史的な問題解決の本。
「未知のものは何か」
「条件をよく調べる」
「以前に似たような問題を見たことはないか」
などの観点から、問題に取り組んでいく姿勢を分かりやすく解説する。
理系必読書。理系に限らず教育関係者には得るところが多い本。
『Heartfilled』レーナマリア(CD)
ハンディキャップを持ちながらも、美しい歌声で私たちを励ましてくれるレーナマリアさんのCDです。
特に、第一曲目「コッポンゲン」は名曲です。
「静かな冬の夜、遠くから流れてくる聖歌隊の歌声が聞こえ…」
と、まるで一編の物語のような歌が響く。
『The Elements of Style』William Strunk Jr., E.B. White
よい英文を書くための古典的参考書。
薄くて読みやすいが、中身は濃い。
スティーブン・キングも薦めている。
『小説作法』スティーヴン・キング
キングは言うまでもなくホラー小説の大家であり、小説でも映画でも大人気のベストセラー作家である。『小説作法』は、幼少時代の思い出から始まって、下積み時代の苦労話を語り、キングは自分自身の姿——いや、キングとタビサの2人の姿——を描く。この夫妻は苦労を共にし、互いに愛し合い、助け合っている。相手のことを信頼し、励まし、他に誰一人も理解してくれる人がいなくても互いに理解しあっている。キングはアルコール中毒になる。アルコール中毒の中でキングは書き続ける。そしてタビサはキングをアルコール中毒から救い出す。
キングは思い出だけを書くのではない。本書の中心にあるのは「言葉」だ。キングは、正統的な文章の書き方を説く。最初に薦める本はThe Elements of Styleだ。文章は大文字ではじめ、ピリオドで終えよ。小説は「一語一語」書くしかない。副詞を削れ。受動態をやめよ。第1稿はドアを閉じて(自分のために)書き、第2稿はドアを開いて(他の人から読まれることを考えて)書け。「第2稿=第1稿−10%」という公式を使え。読者の反応を考えて書け。
1人のドライバーが1999年にキングを車ではねた。この『小説作法』の執筆途中の出来事である。ヘリコプターがキングを病院へ運ぶ。キングはそのいきさつも書く。そして奥さんのタビサがキングをいかに支えたかも。キングは事故の後、5週間で仕事を再開した。
文章を書く人は『小説作法』から多くを得るだろう。
『薔薇の名前〈上〉』ウンベルト・エーコ著、河島英昭訳
博覧強記のエーコが書いた推理小説。舞台は1327年の修道院。
ホームズを思わせるウィリアムと、ワトソンならぬアドソが連続殺人事件の謎に迫る。
『薔薇の名前〈下〉』ウンベルト・エーコ著、河島英昭訳
解決編。
『コンサルタントの秘密』ワインバーグ
問題発見と解決の方法論を楽しく解説した読み物。業界で知らぬ人なしのワインバーグの本。
この本はまた「コンサルタント」という職業に対する幻想と不満の一部を解消するためのものでもある。
コンサルタントというと、自分では泥臭い仕事をしないくせに偉そうなことを言って法外なお金を取る、
というイメージを持ちがちだけれど、それがいかに誤りであり、非生産的な考え方であるかがわかる。
実は、誰でも、すぐにでも何らかのコンサルタントになりうる、ということを気づかせてくれる。
面白いたとえ話が満載で、まるでジョーク集のようだけれど、
そこには深い知恵が満ちている。楽しく読める本。
自分の仕事のあり方を見直したい人に、お薦め。
『道ありき 青春編』三浦綾子
若いときには誰しも悩む。
愛とは何か。真実とは何か。
悩むだけではなくこれほどまでに真剣な生き方を実践した人がいるという驚き。
本気で愛している相手と一緒に読む本。
『氷点』三浦綾子
憎むべき相手の子供を養子にする。そんなことが可能か。
そこで何が起こるのか。
憎しみをぶつけられた陽子はどうなるのか。
なぜ、陽子は養母のつらい仕打ちに耐えることができるのか。
『悪魔の手紙』C.S.ルイス
ナルニア国物語の著者が書いた信仰的な読み物。
老練な悪魔が新米の悪魔と手紙のやりとりをし、人間の誘惑方法を伝授する…という形式で、
悪魔について、人間について、そして神について語る。
これは、日々いろいろな思いに悩まされる人にとっての「実用書」といえる。
全国のキリスト教書店、CLCなどでも購入できます。
『赤毛のアン』モンゴメリ著、村岡 花子訳
かんしゃくもちだけど憎めない。
いつも空想にふけり、おおげさな言葉を使う。
一人の女の子がここにいる。
『科学者とキリスト教—ガリレイから現代まで』渡辺正雄(ブルーバックス)
理性と信仰、科学的認識と宗教的認識、科学とキリスト教の関係を考える。
『クヌース先生のドキュメント纂法』有沢 誠
数学・情報科学の文章を書く技術。クヌース先生の講義録。
『レインマン』(ハヤカワ文庫)
ランボルギーニを失い、ビュイックを得た。プライドを失い、愛を得た。
『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』福田 和也
目的を定めて本を読め。読み返すべきページの端を折れ。
文章が書けなくなったらフォームを守れ。
自分が「いい文章」だと思うものを分解して真似よ。
実際、この本自体がとても読みやすい。
文章の話とか仕事の話っておうおうにして個人の趣味に走ったり、
妙に衒学的になったり、自慢話に終始したりしがちなのだが、
この本は平易な言葉で、自分の経験に根ざした具体的な方法を分かりやすく記述している。
「いい仕事」をしたい人にお勧めの本。実践的テクニックを結城も仕事に応用中。
『暗号の秘密とウソ』ブルース・シュナイヤー著、山形浩生訳
セキュリティとはプロダクトではない。プロセスだ。
パッケージ化されたセキュリティ製品なんて作れない。すべての暗号は破られる。
すべてのパスワードは破られる。
オンラインショッピングを可能にしているのはSSLではなくカード会社だ。
電子マネーはうまくいかない。
ネットのセキュリティはこれからどんどん悪くなる。
世界のトップレベルの暗号学者が分かりやすく解説するセキュリティの本。
『サウンド・オブ・ミュージック』(DVD)
「ドレミの歌」から「エーデルワイス」まで。ジュリー・アンドリュース主演、楽しく切ないミュージカル。
『ひつじが丘』三浦綾子
愛とは、ゆるすこと。
『不思議の国のアリス』ルイス キャロル, Lewis Carroll, 矢川澄子, 金子 国義
永遠の少女には、アリスという名前がついている。
『アマデウス』(DVD)
だぁれが殺した、モーツァルト。 僕が、と「ねたみ」が言った。
『マトリックス』(DVD)
これ以降、アクション映画は「マトリックスを超えた」と表現されることになる。
脊髄にプラグを差し込んで、仮想現実が構築されているコンピュータネットワーク(?)に接続する。そしてその仮想現実を支配している相手と戦う。これって、メタな話ですねえ。
映画の"RAMPO"、筒井康隆の『パプリカ』『朝のガスパール』、エンデの『ネバーエンディングストーリー』にも通ずるかな。
『ユー・ガット・メール』(DVD)
トム・ハンクスとメグ・ライアンが繰り広げる電脳版予定調和的恋物語。
電子メールでの出会いがフィーチャーされ、
AOLとのタイアップがいささか露骨だけれど、楽しいラブコメディ。
『ノッティングヒルの恋人』(DVD)
平凡な憧れが、非凡な恋愛に変わるとき。
『ガラスの仮面』(コミック)
「いまにわかるわ、いまに」…と言って何年が過ぎたのだろう。
『奇妙な論理——だまされやすさの研究』マーチン・ガードナー
どうして人は「トンデモ科学」にだまされるのか。
『統計でウソをつく法—数式を使わない統計学入門』ダレル・ハフ, 高木秀玄
統計にだまされないための基本的知識。
気軽に読める、統計の古典的読み物。
同じ統計データを使って「急激な成長」を表現することも「安定状態」を表現することもできる。
黒い色の服を着た人が、夜に事故に遭いやすいというのは本当か。
統計に関する正しい感覚を養う本。
『OL進化論』秋月りす
OLの仕事や生活を楽しくほのぼのしたタッチで描いている4コママンガ。
花見の場所とり、バーゲン、バレンタイン、クリスマスなどはオフィスの歳時記のようですね。
『ことばの探偵』ちくま文学の森
「ちくま文学の森」は、筑摩書房から刊行されたユニークな叢書。メジャーな作品、マイナーな作品が入り乱れ、ふだん見かけない作家や作品も面白く読めるように工夫されている。テーマ別に分けられた各巻はいずれも強力な魅力を持つ。安野光雅の装丁も美しい。編者は鶴見俊輔,安野光雅,森毅,井上ひさし,池内紀ら。