> 結城浩の日記 > 2011年1月 | 検索 |
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『数学ガール』シリーズの読者さんから、ご感想をいただきました。 許可を得て公開します。ありがとうございます!
読者さんから
数学ガール4巻目を大変心待ちにしています大学生です。 私は3年前に大学受験に際して結城先生に聖書の言葉を教えていただきました。 受験は無事成功し、大変感謝しております。長文失礼します。
結局、浪人してしまったのですが、浪人した一年で人生が大きく変わりました。 現役の時は情報系一本で決めていたのですが、 当時は受験という縛り(何に興味を持っても、受験で結果を出さなければならないということ)に耐えられず、 数学ガールは全巻読んでいました(数学には少し興味はありました)。 浪人の時に、数学ガールを読んでいたおかげで自然科学系に興味がわき、 死んだおじに教えてもらった宇宙とかの幼い時の感動を思い出し、結局、物理科に進みました。
進路を物理系にしたのは、宇宙系を研究したかったのと、 厳密さをとことん追う自信がなかったので(結構適当な性格のため。。。)物理に進むことにしたのです。 今現在、素粒子系に進もうと勉強に励んでおります。
数学ガールの中では、高校生が自分たちで思い思いの研究(勉強というより、研究ですね。)をしています。 現実の世界では、このようにして数学に興味を持った情熱のある人物たちが(高校生レベルで)集まって 議論するということはあまり見かけられません。 そういうわけで、受験が終わって、入学するまでの間、今までは受験という枠に縛られていたわけだし、 もっとこのような(数学ガールの主人公達のように)議論も 大学でいっぱいしたいなぁと思って大学に入ったわけですが、 残念ながらそういう意思を持った人たちはいませんでした。。。私だけ。。
最近、他大学の人とそういうことをできる機会を得まして、 より勉強に勤しむ日々が続くのですが、 今、こうして本当に自分の好きなこと(物理が好きすぎる、数学が好きすぎる)をやっていますと、 大変数学ガールの登場人物たちの行為がよくわかります。 成績云々ということより、本当に己は好きでその学問に向かっているか?ということを考えながらすることによって、 主人公達の意識というものは3年前に比べかなり違ったものに見えてきます。
「自分の読んでいる本が自分の理解の最前線だ」という文からしても、学校の勉強とは別に、 好きなことをするというその学問にかける情熱がにじみ出ていて、 私にとってはただの感動では済まない文だと思いました。
とても長文になってしまい、申し訳ありません。 私は今、"学問"というもの(過去の偉人、名前も聞いたことのないような学者が創り上げてきたもの)にたいして 人生をかけようとしています。 受験という天井なしに勉強しています。 そういった中での好きで勉強できているというスタンスは大変異常なものがあるのですが、 その視点からの貴書籍は大変なすばらしい書籍だと思いました。 今後も数学ガールを読んで、情熱を持ち続けていこうと思います。
長文失礼します。
PS 聖書は大切に持ち続けてます。お教えいただいたところに付箋が貼ってあります。本当にありがとうございます。
結城から
著者として嬉しくなるお便りをありがとうございます。
好きな勉強を思い切りなさっているとのこと、 ほんとうに良かったですね。
また、浪人していた時期のことまでも前向きにとらえておられること、 私のほうまでたいへん励まされました。
今後のご活躍を応援し、 あなたの人生が豊かな喜びと祝福に満たされますようにとお祈りしております。
2010年末にMacBook Airを購入して、Windows(ThinkPad)からMacへ普段の環境を移動しました。 良かったこと、困ったこと、思うことなどをつれづれに書き並べてみようと思います。
Macに移って良かったことのトップが「美しさ」です。 フォントの美しさ、筐体の美しさ。これは日々使う道具として非常にうれしいことです。
副次的な良かったこととして「サーバ利用が進んだ」ということもあります。 ThinkPad一台で仕事していたときにはそこに必要なファイルを全部入れていたのですが、 iPhone, iPad, そしてMacBookを並行して使うようになり、 サーバにファイルを置くようになりました。 執筆している原稿のLaTeXファイルも、サーバ上にgitのリポジトリを置き、 ノートパソコンではcheckoutして編集するスタイルに変えました。 これで、暗黙のうちにバックアップが取られるようになり、ちょっと安心。
困ったこともあります。 まずMacBookの「キーボード」には不満を感じています。 ThinkPadに比べるとやはり打ちにくい。 それからThinkPadの「トラックポイント」に慣れている身には、 「トラックパッド」はまだしっくりこない。 トラックポイントで操作していると、コンピュータの中にあるものを手で捕まえている感じがするのですが、 トラックパッドだと、ふわふわっと撫でている感じで、いささか頼りない。 トラックポイント付きの外付けキーボードを併用しようかと検討中。
それから「エディタ」に困っています。 Windowsでは秀丸エディタを十数年使っていましたが、 Macには秀丸エディタはない。 Mac上のエディタはいくつか試しましたが、結局Emacsに落ち着きそうです(この日記もEmacsで書いている)。 環境を整備し、自分用に~/.emacs.d/init.elを書き、普通に文章を考える分には問題ないところまで来ました。 ただ、どうしても、微妙なところではまだ「秀丸のほうがやりやすいなあ」と思うときがあり、 なんとかしたいところです。 幸い、Emacsのカスタマイズ性は非常に高いので、 時間をかけて整備すれば、いつかは(私にとって)秀丸よりも便利になると思います。
それから困っているのは秀丸エディタ以外のWindowsならではのツール類。 表計算(Excel), ドローソフト(Visio), ペイント・レタッチソフト(Paint Shop Pro)などです。 これらは、VMware Fusionなどの仮想ソフトでしのぐか、 Mac上のネイティブな同等のツールに移行するかを今後考えていくことになります。 ExcelとVisioは編集部などとのI/Fでも登場するのでそことも調整する必要があるかも。
幸いだったのは、たとえばsvnやgit, Perl, LaTeX, ATOKといった基本的な道具は、 WindowsでもUNIX(Mac)でも問題なく動くという点です。
困っていたけれど何とかなりそうなのは、文字コード(エンコーディング)と改行コードの違い。 WindowsではShift_JISを使い、改行はCR LFでした。 UNIX(Mac)ではUnicode(UTF-8)を使い、改行はLFにします。 でも変換ツールは充実しているし、こまったら適当にスクリプトを書いて変換してやればいいので、 問題はなさそう。
『数学ガール/乱択アルゴリズム』初校を第6章前半まで読んだ。明日は第6章後半から。 あと、イラストラフを見たりいろいろ。
午前中は礼拝。 教会で歌を大声で歌うのはとてもいい。 一日ずっと心の中で自分の声がリフレインしている。
午後はお昼寝してから校正紙を読んだりEmacsの勉強をしたり。 Emacsはずいぶん以前使っていたので、基本的なキーアサインは覚えている。 何回かEmacsに移ろうとしたけれど、でもどうにもなじめなかった。 今回はMacに環境を移しているため、本気で勉強。 秀丸エディタはMacで動かないので。
Emacsの環境整備の話題は「結城浩のはてな日記」のほうに書いています。
午前中は礼拝。すごく恵まれた。家族で教会に行けるのは感謝なことである。 そうだ、年間聖句を決めなくては。
午後から、以前住んでいたアパートを久しぶりに訪ねる。 とても懐かしい風景。変わっているところと変わっていないところがある(当たり前)。 でも、訪ねてよかったな。
あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。
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