結城浩
2001年12月1日
Googleをはじめとする強力な検索エンジンがあるために、 情報収集を目的とするただの「リンク集」というのは意義を失っているような気もする。 ただし、きちんとしたコメントがついたリンク集は重要。 編集の技術、というんでしょうか。 ちゃんと編集され、適切なコメントがつき、編集者のフィルタをとおったリンク集というのは 価値があるように思う。 その編集者と波長が合う利用者にとっては。
www.textfile.org(テキストファイル・オルグ)は、私が編集しているリンク集だけれど、 そのような「結城浩のフィルタを通ったリンク集」 としての価値を見出してくれる人に利用していただければいいなあ、 と思っている。作る私は楽でして、 「これ、よさげ」と思ったページをリンクしていけばいいだけの話ですから。
www.textfile.orgを立ち上げたのは、昨年の12月頃。 もう一年になるのですね。 結城のメールのシグニチャ(署名)で宣伝しているけれど、 現在www.textfile.orgは一日100〜150くらいのアクセスがあるようになりました。 寡黙なリンク集ですけれど、私にはとても愛着があります。 一時ドメイン検索に凝っていた頃、ある日、 ふとtextfile.orgというドメインが残っていたのを見つけました。 テキストファイルが大好きな私は、 「おおっ、これは私がとらねば」 と思って衝動買いしてしまったのです。
現在のwww.textfile.orgはリンク集ですけれど、そのうちもっと膨らませて育てていきたいな、 と思います。
自分が持っている独自ドメインというのは1つのノウアスフィアです(『ノウアスフィアの開墾』を参照)。 そこを自分の活動の拠点とし、自分独自の何かを展開していくインターネット上の立脚点であり、 独特の空間です。 最近独自ドメインのfreedomcat.comを取得したshinoさんはそれを「アトリエ」と表現していました。 ゴスペル俳句の活動をしているみのるさんは、 そのままズバリgospel-haiku.comというドメインを取得。 結城の文章をよく引用してくださっているサイト「気分はノースサイド」では、 独自ドメインのclub-siesta.comを取得。 結城の古くからのネットのお友達のイリエさんは、名前をもじったiriex.comを持っている。 山形浩生さんは、個人用にcruel.orgを持ち、さらにプロジェクト杉田玄白用にgenpaku.orgを持っている。 森山和道さんのドメインはmoriyama.comだ。 礼奈さんと健吾さんは二人合わせてreiken.comを持っている。 それぞれの人が、それぞれの思いを込めて独自ドメインを取得し、 自分なりの活動を展開している。
「独自ドメイン」というのは、 なんだか深い意味があるように感じる。