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次男がものすごく焦った声を出して泣きじゃくりながら、 「おとうさん、電球こわれちゃった!」とすっとんできた。 見ると、ニップル球のついた豆電球のソケットから伸びているリード線が根元から切れてしまっている。 顔中涙でぬらして泣いている次男。
リード線をソケットに差し入れて点くことを確認しながら 「大丈夫。ほら、電球は壊れていない。この線が切れただけだよ」 と次男をなぐさめる。
次男は「電気の修理屋さん、呼ばなくっちゃ!」と、 先日やってきた大工さんのことを頭に思い浮かべながら言う。
「ソケットの下のほうをちょっと割ってよければ、お父さんが直せるよ。ハンダ付けして。」 と言って、ハンダごてを温める。 「え、お父さん、直せるの?」と次男はけげんそうな顔。
しばらくして、ハンダごての温まった匂いと、ペーストのとける匂いが入り混じる。
実家にいる父のことを思い出す。
ラジオペンチでソケットの一部を割って、リード線はすぐにくっついた。 電池にくっつけるとニップル球は素直に光りだす。
「はい、直りました。」
「ありがとう。」という次男の笑顔。
(2004年10月30日の日記から)