結城浩
2004年9月13日
夜。忙しい仕事の合間に、ふと頬杖をついてぼんやりと思う。
いま、自分は生きているのだなあ、と思う。 あたりまえのように指を動かしてキーボードを叩いている。 自分の考えをテキストファイルに乗せて、日記を更新している。
でも、いつか、私の手も動かなくなるのだなあ、と思う。 年を取ってくれば、自分の頭も回らなくなってくるだろうし、 本当に年を取ってしまって、わけがわからなくなる時が来るかもしれない。
という文章を書きながら、でも私は悲しんでいるわけではない。 いやな気分になっているわけでもない。 ただ単に、淡々と、私のこの肉体はいつか消え去るのだなあ、と思っているだけだ。
私はイエス・キリストを信じているから、永遠の命が約束されている。 私には力がないけれど、約束をたがえることがない神様には力があるから大丈夫。 私はそのことをまったく疑っていない。 だから、一番根源的な不安——死——についてはとりあえず問題はない (実際の自分の死に直面したときには、ばたばたしちゃうかもしれませんが、まあそれはさておき)。
この世で生きる時間というのは本当に短いものだ。 本当に、本当に短い。 40代になってから特にそう思う。切実に思う。 20代はなかなか波乱万丈な時代だった。 20代の終わりにイエスさまを信じたことは大きな恵み、はかり知ることのできない恵みだった。 結婚もできたよ…。私が結婚できるなんて思ってなかったよ。 30代もいろんなことがあったけれど、ベースは本当に幸せだった。 でも、時は夢のように過ぎていく。時が流れるスピードは驚くほど速い。
今日の朝、ノートパソコンでぱたぱたやっていると、奥さんが起きてきた。朝の6時頃だ。 奥さんは私に向かって深々と頭を下げた。 私もすぐに立ち上がって奥さんに向かって深々と頭を下げた。頭を下げて、私はこう思った。
「うちの奥さんは偉いなあ。一週間のはじめにあたって、自分のご主人に頭を下げるなんて。私もきちんと奥さんに頭を下げよう。」
しばらくして奥さんは頭を上げてこういった。
「ふう、立ちくらみしちゃった。」
私に礼をしてたんじゃないんかいっ! その後、二人で改めて朝のごあいさつ。
…まあ、ともかく、天国では永遠に生きるとしても、 この世で生きている時間は本当に短い。最近特につくづくそう思う。
そして、聖書の神さまを信じる信仰を持つのがいかに大切なことであるか。
なかなか聖書を読む時間って取れないもの。お祈りの時間も取れないもの。 ほんとにちょっと油断すると「この世の調子」に流れていってしまう。 でも、めげる必要はない。「ちょっと最近まずいな。自分、ずれてきてるな」と気が付いたら、 さっとイエスさまにお祈りしよう。
「イエスさま、ごめんなさい。私、ずれてます。聖書をもっと読めるように、もっと祈れるようにしてくださいっ」
そんな風に、さくっとお祈りしよう。 携帯でメールをぱっと出すように、神さまにぱっと祈ろう。 ちょっとしたすきま時間にも祈ろう。きちんと時間を取って祈るのはとてもよいことだけれど、 生活のまっただなかで神さまに祈るのも大切だ。
毎日、私にお祈りのリクエストを送ってくださる、熱心なお母さんがいらっしゃる。 ご自身と子供さんとの関係について祈ってほしいというリクエストなどが中心である。 この方からのメールが来ると(この方のメールに限りませんが)、私はしばし目を閉じて祈る。 神さまに祈る。全知全能なる神さま、私たちのことをすべてご存知で、しかも深く愛しておられる神様に祈る。
「あなたのために祈ります」というページでは、祈りのリクエストを受けて、 その方のことを神さまに祈っている。 他の人のことを祈っているのだが、祈りを通して神さまに触れていただき、 祈り手自身が恵みをうけている。感謝なことである。
人生において、信仰はとても大切なものです。 私たちは偶然に生まれたわけではありません。 神さまが意図を持って、私たち一人一人を愛のうちに作られたのです。 神さまにはご計画があります。私たち一人一人に、特別の計画が。 神さまは聖書を通して、私たちが何をするべきかを教えてくださっています。 また、祈りを通して神さまとの親しい交わりを望んでおられます。
人生を生きるために、私たちはいろんなことを考えます。 ああしたほうがよいだろうか。こうしたほうがよいだろうか。 実はこのほうがよいのではないか。 必要と思われる知識を蓄え、情報を収集し、自分の生活に役立てようとします。 でも、神をおそれることは知識のはじめ。 自分を作った方を知ることなしでは、 自分がどっちに歩けばよいのかまったくわからなくなるのではないでしょうか。
…
私はいま、コンピュータに向かって、文章を書いています。 外では虫が鳴いています。もう、秋ですね。
この日記をお読みになっているあなたの上に、今週も神さまの祝福が豊かにありますように!