結城浩
2001年12月26日
お風呂上がりの会話。回っている乾燥機を見て、長男が言う。 長男「2,1,7…、残り時間は2時間17分だね」 私「どうして? 217だったら217分かもしれないでしょ?」 長男「だって、2と17の間にてんてん(:)があるもの」 私「2分17秒かもしれないでしょ?」 長男「だって、見てたけど、16、15って減っていかないもん」 私「なるほど。なかなか観察力があるなあ」 長男「(ちょっと得意げに微笑む)」 私「ところで『観察力』ってなんだか知ってる?」 長男「知ってるよ! 『観察する力』のこと」 私「はは。じゃあ『観察』って何?」 長男「うーん…。『見ること』かな」 私「そうだね。じゃあ『観察』と『見ること』はおんなじ?」 長男「うーん…。わかった『観察』って『よく見ること』だ」 私「なかなかいいねえ。よく分かってるね」 長男「(ちょっと得意げに微笑む)」 私「○○くんは、言葉の意味をよく分かって話しているけれど、 世の中には言葉の意味を分からないで話す人がたくさんいるんだよ。 自分で『なんとかかんとか』と難しい言葉を言ってるのにその意味を知らないことがあるんだ」 長男「???? どうしてえ???」 私「どうしてだと思う?」 長男「わっかんなーい!」 私「いろんな場合があるけれど、例えば『知ったかぶりをしたい場合』だね。 ほら、難しい言葉を使っていると、みんなから、 『わあー、あの人すごいー。私の知らない難しい言葉を使っているー』 って言ってもらえるから」 長男「変なのっ」 私「自分が使っている言葉をときどきチェックして、 『自分は言葉の意味を分かって使っているかな、知ったかぶりしていないかな』 って考えるのは、とても大事なんだ」 長男「ふーん」