結城浩
2002年4月30日
今日は、仕事の合間に橋本礼奈さんの個展へ行ってきました。 残念ながら、お仕事の関係でご主人の健吾さんにはお会いできませんでした。
礼奈さんとはネットでは長いお付き合いですけれど、 直接お会いするのはこれがはじめてになります。
礼奈さんは、ゆっくりと言葉を選んで、ていねいに話す、素敵な女性でした。 画廊でお茶やお菓子をいただきながら、 ネットのことや絵のことのお話などをたくさんうかがうことができました。 絵の説明(というか絵にまつわるお話)を描いた作者本人から聞く、 というのはとても贅沢な体験でした。感謝します。
Web上や、印刷された本で絵を見るのと、 直接「本物の」絵を見るのとではずいぶん違うものだなあと思いました。 直接見るほうがはるかにいいですね。
私はもっぱら「絵を描くということ」についての質問を礼奈さんにしていました。 絵の中に葉っぱが登場してくるときに、 一枚一枚数えて描くとか、壁のしみも形をきちんと合わせて描く、 という話には驚きました。でも同時に納得もしました。 適当に頭で作った部分があると、そこがどうしてもうそっぽくなる、 というのは文章でもよくあることだからです。
それから絵に対する「思い入れ」の話もおもしろかった。 思い入れがないといったらうそになるけれど、 きまった場所にある色を置いたら、それを見る人に対してある印象を与えるもの。 つまり、本人の思い入れや能書きではなく、 作品として提示されたものがすべてかも、といった話。 絵の端の方の線をわずかにゆがませるという話や、 得意な色と不得意な色があって、 つい得意な色(コントロールしやすい色)を使ってしまうという話も。
絵を見ながらReinaさんとおしゃべりをしていると、 シンジさんと、中村さんがいらして、オフ会然としてきました。 みなさんとおしゃべりするのも楽しかったですけれど、 美術関係者同士の会話をじっと聞いているのも楽しかったですね。
おいとまするときに、 礼奈さんがさし絵を描かれた『六号病室のなかまたち』にサインをしていただきました。