結城浩
1999年7月29日
コンパイルの合間に『ブラウン神父の秘密』を読む。 チェスタトンの話は逆説と複雑な比喩が多くて難しいけれど、不思議な魅力がある。 事件に絡めて宗教的な話題が登場するのだが、 それがきちんと意味のある内容であることがクリスチャンになってはじめて理解できた。 クリスチャンになる前は、いろんな思想や宗教や哲学の違いはよくわからなかった。 それぞれ、同じレベルのone of themという感じがしたのだ。 何だかちまちまと細かいことにこだわっているような感じがした。 でも、クリスチャンになってからその考えは180度変わった。 一つ一つの思想・宗教・哲学の違いが際立って理解できるようになった。 「神が世界である」のと「神が世界を作った」のがどれほど 大きな違いかがよく分かるようになった(ちなみに、後者がキリスト教の主張)。 その経験から、ひそかに思うことがある。 「すべての宗教は同じである」とか 「すべての宗教は結局は一つである」という類の誤った主張を行なう人は、 実はどの宗教も理解していないのではないだろうか。