結城浩
2002年4月13日
長男との会話。
私「球があります。球の表面積が四倍になりました。そのとき球の体積は何倍になりますか。」
長男「ええっ、わかんない。」
私「じゃあヒントね。球の表面積が四倍になったとき、球の半径は何倍になりましたか。」
長男「うーんと…二倍かな。」
私「ピンポン。では球の半径が二倍になったとき、球の体積は何倍になりますか。」
長男「八倍?」
私「ピンポン。じゃあ、別の問題ね。「二次元の球」って何?」
長男「円!」
私「ピンポン。じゃあ、次は難しいよ。「一次元の球」って何?」
長男「わからない。」
私「三次元の球を二次元の平面で切ると、断面は何?」
長男「円。」
私「ピンポン。そうだね。じゃあ二次元の球…つまり円を一次元の直線で切ると、断面は?」
長男「2つの点。」
私「そうだね。だから、一次元の球っていうのは二点のことだ。正確には1次元の球面だけどね。じゃあ、次の問題は、一次元の球の「中心」ってどこ?」
長男「2つの点の…中点?」
私「はい、そのとおり。そのとおりだね。また別の問題。もしも「四次元の球」というのがあったとしよう。半径が二倍になったら、四次元の球の体積は何倍?」
長男「16倍!」
私「そう、たぶんね。どうして16倍だと思ったの?」
長男「四次元というのは、四回自乗するってことだから2×2×2×2で、16倍だと思った。」
私「うん、そうだね。四回自乗するとはあまりいわなくて、四乗する、っていうんだよ。じゃあ、半径が二倍になったら、「一次元の球」の「体積」って何倍だと思う?」
長男「…二倍?」
私「うんうん。そうだね。ところで、「一次元の球」の「体積」って何のこと?」
長男「2つの点の間の…長さ!」
私「そのとおり。じゃあ、寝よっか。」
長男「(うなづく)」