たからさがしのほん

結城浩

2004年10月23日

次男がとことこやってきた。

次男「ねえ、おとうさん。」

私「なに?」

次男「(折った白い紙を出して)ここに《たからさがしのほん》って書いて。」

私「(にっこりして)うん、いいよ。ここ?(と聞いて書く)」

次男「ありがとう。」

しばらくして、次男は作った本を見せてくれた。 山や、谷や、宝の箱や、それを開けている人の姿などが6ページに渡って描かれていた。 鉛筆書きに絵の具で色を塗っている。

私「すごいねえ…。よくきれいにできたね。この宝探ししているのは誰?」

と聞くと、次男はにこっと笑って、自分の名前を言う。

思うに「ここに《たからさがしのほん》って書いて」と頼まれるのは、 何にもかえがたい幸せではあるまいか。