よろしい、なかなかよろしい

結城浩

2002年11月22日

次回レビューアに送る原稿をせっせと執筆している。 レビューアさんたちにレビューをお願いすることで、 私が受ける恩恵がここにもひとつある。 それは「次に送るべき原稿を仕上げる」ことに神経を集中できる点だ。

まだ20代のころ、 私にそれを教えてくれた人がいた。 たしか留学生だったと思う。 文章を仕上げるときには、頭から順番に仕上げていくのがいい。 「ここまではできた、ここからはできていない」という状態を保つのがよい、 といわれた。

原稿に合わせて図も描いている。 図を描くときにはいつもと同じくMicrosoft Visioを使っている。 いつものことだが、 図を描くのはとても難しくて時間がかかる仕事である。 時間をふんだんに使わないと分かりやすい図にならない。 でも、時間をふんだんに使って分かりやすい図を描く練習を何度もやっていると、 少しずつ少しずつ速く描けるようになっていく。

技術的に正しい(うその少ない)図が分かりやすく描けたときには、 とても気持ちのいい手ごたえを感じる。 思わず『またもりへ』のぞうさんのように 「よろしい、なかなかよろしい」といいたくなる。

そういえば、 神さまも人間をお創りになったとき、 「よろしい、なかなかよろしい」とおっしゃったんだっけ。