リチャード・ストールマン
偏執狂的な人は「政府は我々にチップを埋め込み、我々を監視し、我々をコントロールしようと計画している」とよく言う。 ワイヤード・マガジンによれば、認識チップを人間に埋め込むことが現在計画されているという。
このアイディアの最も恐ろしい部分は、 こういった認識チップは、将来GPS受信機を含むかもしれず、 あなたが行くすべての場所を記録できるようになるだろう、 ということだ。 そうなれば、あなたに断りなく、 あなたの行動記録を読み出す機械が警官全員に支給される、というのは自然な流れだ。 これでは、あなたの生活は開かれた本のようなものとなってしまう。 携帯電話を持ち運ぶのと同じくらい悪い話だ。
携帯電話といえば、 何百万台ものGMの新車にはGPSと携帯電話が組み込まれている。 その目的は、自分の車がどこにあるかを調べるという月極め有料サービスを提供することにある。 そのサービスの料金を払わない場合、 あなたは、GMが持つその情報にアクセスすることはできない —— しかし、GMや、警察や、 GMのコンピュータにどうやったらアクセスできるかを理解しているクラッカーなら誰でも、 あなたの車の動きをずっと追っていくことができるだろう。 もしもあなたの車がこの「機能」を持っているなら、 GPSと携帯電話が電気的に接続されておらず、電源が供給されていないことを確かめなさい。 そうしておけば、彼らはあなたを追跡できないからだ。
今日び、「私は監視されている」を偏執狂のたわごととは言い切れないのだ。
Return to Richard Stallman's home page.
Please send comments on these web pages to rms@gnu.org.
Copyright (C) 2002 Richard Stallman
Verbatim copying and distribution of this entire article is permitted in any medium, provided this notice is preserved.
翻訳は 結城浩が行ないました。 誤字・誤訳の指摘を歓迎します。
HTMLソースに原文がコメントとして含まれていますので、 ご指摘くださる際に利用してください。
プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト。