お手紙ありがとうございます。 「まじめすぎる自分」 「心から相手と話をしたいが、自分が作ってきた虚像が壊れない・壊せない」 ということですね。 あなたが書いてくださった内容の一部については、私もよく理解できます。 私自身も「私はまじめ」という印象を 他の人に(われしらず)与えてしまうからです。 あなたの表現を使えば「まじめな人だとレッテルを貼られる」ということに なるでしょうか。 あなたがおっしゃるように、 いままでの自分を全部捨てて1からはじめたくなるのもわかります。 自分がやってきたこと、自分の存在そのものが、 現在の自分を苦しめているように感じられるからですね。 まず、そのように感じる(感じている・感じたことのある)人は、 あなただけではありません。 多くの人が同じように感じ、苦しんでいます。 私も(最近は少なくなりましたが)そういう感じを抱くことがあります。 自分の姿(レッテル)を変えるというのはとても難しいことですし、 本能的に「恐い」と感じるものです。 また、ある時から180度自分のパーソナリティを変えた振る舞いをするというのも、 場違い、というか気まずい、事態を引き起こすものだと感じます。 実際、 「私はまじめだ、という虚像を壊せない、どうしたらよいか」と悩むのは 何というか、本当にまじめな証拠のように思います。 ですよね(^_^)? ですから、まずは、あなたの「私はまじめ」という像は虚像ではないです。 少なくとも100%の誤りではない。 では、あなたの苦しみはどこからくるかというと、 「私はまじめ」という像からはみ出している部分、像からずれている部分も 「あなた」として認めたい、認めてもらいたい、受け入れてもらいたい、 という気持ちから来るのではないかと想像します。 一言で言えば、 「私のすべてを、私の全体をそのままそっくり見て、受け入れてほしい」 ということになると思います。違っていたらごめんなさい。 ということは、いままでの自分を全部捨てて1からやりなおす、 というのは少し違うんじゃないでしょうか。 そうではなくて、 あなたが結城あてに送ってくださった、 まさにその内容を、 あなたが真にコミュニケートしたい相手にぶつけてみる、 というのが第一歩なのかもしれません。 第三者として言うのは簡単だけど、具体的にどうするか、は難しいですね (^_^; ふと思ったんですけれど、あなたは自分がどんな人間だと思いますか。 まじめなところ、も含めて、こういう人間だ、あんな人間だという 項目を書き出してみたらどうでしょう。 汚い部分やきれいな部分、よい(と自分が思っている)ところや わるいところも全部、正直に書き出してみる。 たぶん、矛盾するところもたくさん出てくるでしょうけれど、 それはそれでいいです。 そしてその、矛盾もあり、いろんな要素を抱え込んでいる全体としてのあなた、 それを受け入れてみましょう。「これが、今の、私だ」という風に。 だって、それが今のあなたなのですから。 そのように、いったん自分をぎゅっと受け入れる。 それはとても大切なことです。 もしも可能なら、それと同じことを他の人、 特にあなたが深く関わりたいと願っている人に対してもやります。 あの人はこういうところもある、ああいうところもある、 でも、それはそれとして、全体としての「あの人」を そのままそっくり受け入れる。受け入れようとしてみる。 対話するとき、相手が心を開くかどうかは、 こちらがわがコントロールすることはできません。 相手は相手の人格を持っているわけですから。 こちらがいくら心を開いているつもりになっても、 相手は心を開いてくれないかもしれない。開いてくれるかもしれない。 それは自分には決められません。 でも、心を開き合ったコミュニケーションの前段階として、 自分を受け入れる、相手を受け入れる、というのは (程度はいろいろですが)必要なように思います。 相手が心を開く可能性があるのは、 相手が「ああ、自分は受け入れられている」と本当に感じるときではないかと思います。 あなた自身もそうですよね。 自分を受け入れてくれない相手に対して心を開くというのは難しい。 でも自分をすっぽり受け入れてくれる相手に対しては比較的心を開きやすい。 (余計なことを言えば、あなたが結城あてにメールを送ったのは、 結城があなたの言葉を何らかの形で受け入れてくれる、と思ったからですよね。 それと同じです) 自分が相手に対して「私は、あなたを受け入れます」というシグナルを送るためには、 「聞く」という態度が必要です。相手の言うことに耳を傾ける。 人は、愛された分しか、愛することはできません。 人は、聞いてもらった分しか、聞くことができません。 人は、受け入れてもらった分しか、受け入れることができません。 ですから、人はみな、 愛の源泉である本当の神さまと出会う必要がある、 と私は思っているのです。 話があちこちに飛びましたが、 現在のあなたへの何かヒントにでもなれば幸いです。 それでは、また。