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第4回 解答編 |
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こんにちは、結城浩です。 文章教室の第4回は、「自然な順序で書きましょう」がテーマです。
読者は、あなたの書いた文章を順に読みます。 順序が混乱していると、読者も混乱します。 次の例文を見てください。
(1) 私は、朝6時に目を覚まします。 会社に着くのはおおよそ9時です。 家を出るのは8時ですが、 その前に7時までWebページを見て、 それから着替えて朝食を食べ、会社に出かけます。
(2) 私は、朝6時に目を覚まします。 7時までWebページを見て、 それから着替えて朝食を食べます。 家を出るのは8時です。 会社に着くのはおおよそ9時になります。
何を言いたいかはもうおわかりですね。
(1)では、文章の途中で時間が逆転しています。 読者は「6時→9時→8時→7時」 という不自然な順序で文章を読むことになります。 読みながら、心の時計を逆転しなければなりません。
(2)では、文章の途中で時間が逆転しません。 読者は「6時→7時→8時→9時」 という時間の流れにのったまま文章を読み進めることができます。
書いた文章を読み返すときには、 「自然な順序」は何であるかを意識しましょう。 自然な順序の例をいくつか示します。
ところで、第3回で練習した「パラレリズム」を使うと、 例文は、次のように書くこともできます。 時刻を表す言葉をはじめにそろえているのがわかりますか。
(3) 私は、朝6時に目を覚まします。 7時までWebページを見てから、着替えて朝食を食べます。 8時に家を出て、 おおよそ9時に会社に着きます。
では、 自然な順序で書く練習をしてみましょう。
次の文章を、分かりやすく書き換えてください。
仕事は、314という番号がついた部屋で行いますが、 机と椅子は部屋の中にありますし、 紙とペンと百科事典は、机の上に用意してありますし、 仕事というのは百科事典を書き移す仕事なんですが、 部屋に入る前には入室手続きが必要となりますけど、 最初に、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械で入室手続きをしてください。
読者を「上から下」の方向へ導いていく文章を書いてください。
あなたの好きなWebページを紹介する文章を書いてください。
ありがちな紹介文ではつまらないので、 読んでいる人に「ちょっとした驚き」を与えること という条件をつけることにします。 どのような種類の「ちょっとした驚き」でもかまいませんが、 条件に惑わされて、不自然な文章にならないように。