> 結城浩の日記 > 2010年1月 | 検索 |
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午前中、メッセージを聞きながら、少しうとうとしてしまった。 午後からも何となくぼんやり過ごす。
岩波書店から出版されている月刊誌『科学』2010年3月号(2月25日発売)に、 結城が書評を書きます。
小寺裕『和算書「算法少女」を読む』(ちくま学芸文庫)の書評です。
ここで出てくる『算法少女』は、 遠藤寛子さんがお書きになった小説『算法少女』ではなく、 江戸時代の和算書『算法少女』のほうです。
ええと、話が入り組んでいますかね。少し整理すると…
…ということになります(このややこしさ、いい味出してますよね)。 どうぞご期待下さい。
日本評論社から出版されている数学月刊誌『数学セミナー』2010年4月号(3月12日発売)に、 結城が書籍紹介の記事を書きます。
「『数学ガール』シリーズの登場人物たちに読んでほしい本」 というテーマで、数学書などを数冊紹介します。 紹介する本そのものは、 『数学ガール』シリーズの参考文献とかぶる部分もありますが、 紹介文の中で、若い読者さんへのメッセージも少し書かせていただきました。
3月の話ですから、 ちょっと先になりますが、よろしければお読みください。
くるるさんには『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』執筆でたいへんお世話になりました。
今回は妄想全開版ネタバレ版の書評。
感激しました。
既読の読者さんはぜひお読みください。
いろんな意味で凄い書評です。
念のために書いておきますが、 出版した後は、本は著者のものから読者のものになります。 ですから、著者がその「読み」は正しいとか誤っているとか判断はできません。 著者も読者もいっしょになって、 「あれってどういう意味があるんだろうね」 と考えることになります。 そういう意味でも、くるるさんの書評はおもしろいです。なるほどなあ(どこになるほどと思ったかは秘密)。
夜。英語の参考書を読んでいて、 思わず「いやあ、英語を勉強していてよかったなあ」と言うと、長男が聞き返してきた。
長男「なぜ?」
私「だって、日本語訳されていない本でも読めるからね」
長男「自分が英語を読めてうれしいと思ったのはね…」
私「うん?」
長男「perldocが読めたときかな」
私「確かに!」
先生「√xの定義は何ですか?」
生徒「xっていうのは何ですか?」
先生「ここではxは実数だとしましょうか。√xの定義は何ですか?」
生徒「√xとは、二乗してxになる数です」
先生「そうですか?」
生徒「だって、√4は2ですし、2を二乗すると4になりますよね」
先生「はい。√4は2に等しいですし、2を二乗すると4に等しくなります。 でも、√xの定義は「二乗してxになる数」ではありません」
生徒「?」
先生「√xの定義が「二乗してxになる数」だとすると、「x^2 = 4(xの二乗イコール4)」という二次方程式の解は√4つまり2ということになります。そうですか?」
生徒「あ、違いますね。x^2 = 4の解は、±2(プラスマイナス2)です」
先生「そうですね。正(せい)の数2と、負(ふ)の数-2の二つがあります」
生徒「では、√xの定義は、「二乗してxになる数」ではなく、「二乗してxになる数のうち正のほう」なのですね!」
先生「そうですか?」
生徒「違いますか?」
先生「xが正ならば、あなたの答えで正しいですけれど…」
生徒「xが正ならば…。そうか、xがゼロのときは、√xはゼロですね。「正のほう」という表現ではまずい?」
先生「まずいですね」
生徒「√xの定義は、「二乗してxになる数のうちゼロか正のほう」ですね!」
先生「そのことはよく、「二乗してxになる数のうち負でないほう」と表現します」
生徒「何だか素直じゃない言い回しですね…」
先生「定義としてはここまでで大丈夫です。xは実数としましたから…負の数についても考えてみましょう」
生徒「はあ」
先生「実数は必ず、正か、ゼロか、負かのいずれかですから」
生徒「はい…ええと、xが負のとき、√xは…あれ? 未定義、ですか?」
先生「はい、そうです。 実数の範囲だけで考えるなら、xが負のとき、√xは実数の範囲では存在しません。 xが負のとき√xは未定義といってもいいです。 複素数まで考えれば未定義ではありませんけれど」
生徒「√xの定義は「二乗してxになる数のうち負でないほう」なのですね。そして、xが負なら、そのような実数は存在しない」
先生「はい、そうなります。 「実数の範囲では」とか「xが負なら」といった条件がつくのが、もどかしいですね。 でも、もうすこし学習が進んでいくと、美しい形でその条件を取り去ることができます。 それを楽しみにしましょう」
生徒「でも、なんだか、ややこしいですね」
先生「y = √xのグラフを描いてみると、もう少しわかりやすいかもしれません」
生徒「これは…放物線ですね」
先生「放物線ですけれど、原点及び、x軸よりも上の部分がy = √xのグラフになります」
生徒「それはどういうことでしょうか」
先生「y = √xのグラフをよく観察してみましょう。x < 0のとき、グラフに対応する点はありません」
生徒「はあ」
先生「それは、ちょうど、√xに対応する実数が存在しないことをあらわします」
生徒「x = 0のときは、原点Oですね」
先生「はい。原点は、「√xはx = 0のとき0に等しい」ということに対応しています」
生徒「なるほど」
先生「そしてx > 0のときは、x軸より上と、x軸より下(そちらは破線で表しています)に、 「二乗するとxになる数」があります。上と下とで二つ、ですね。そして、√xは…」
生徒「ははあ、√xは、上の方ですね」
先生「そうなります。それが「二乗してxになる数のうち負でないほう」に対応しているのです」
生徒「なんとなくわかりましたけれど、グラフとの対応はもう一度ゆっくり考えないとわからないです」
先生「はい。ゆっくり考えてください」
■まとめ(すべて実数の範囲で考えるとする) ・「二乗するとxになる数」は… x < 0 のときは存在しない x = 0 のときは唯一存在する(0である) x > 0 のときは二つ存在する(√x と -√x である) である。 ・「√xの定義」は… 二乗するとxになる数のうち、負でないほう である。
(この対話はTwitterのnoricocoさんのつぶやきにインスパイアされて書きました。感謝します)
追記
Wikipediaの平方根 / Square rootはすばらしい。複素数の平方根の話題と、リーマン面の美しい図まで載っていますね!
ええと、今週は書評…というか、書籍紹介の原稿を書いていました。 3月に発売される雑誌に掲載されます。 またその際にはアナウンスしますね。
あとはぼちぼち勉強したり、iPhoneで遊んだり。
神さまに感謝するのは大切なことです。 何があっても神さまに信頼し、感謝する。 人間の目に良くみえることでも、悪く見えることでも、 まずは、すべてを神さまに感謝する。
神さまに願いごとをする人は多いけれど、神さまに感謝する人は少ない。
感謝は要求に先立つ。
まず、神さまに感謝。 神さまに感謝するのはよい習慣です。 最初のうちは「わざとらしい」とか「ぎこちない」かもしれない。 でもそんなのは気にしない。
「神さま、ありがとうございます!」
「イエスさまに感謝!」
どんどん感謝しよう!
感謝は、あなたの人生を変えます。
Twitterで hyuki は329のリストに入っています。 どういう名前のリストに入っているかで、(他の人から見た)結城の属性が見えそうなので、 スクリプトを書いて動かしてみました。以下、頻度順。
9 it 9 math 9 famous 7 tech 7 engineer 6 dev 6 programming 6 programmer 5 author 5 developer 5 celebrity 4 geek 4 christian 4 watch 4 geeks 4 fav 4 writers 3 creater 3 attention 3 science 3 person 3 conversationlist 3 web 3 respect 3 mathematics 3 writer 2 literature 2 i-want-to-meet 2 big-name 2 programing 2 a 2 public-people 2 cute-icon 2 list 2 alpha 2 academic 2 my-timeline 2 prg 2 social
このほかにおもしろいリストの名前としては、以下のようなものがありました。
i-want-to-meet morethan3kfollowers-jp wakuwakubook hyuki
神さまをほめたたえるのはとても大事。 賛美すること。感謝すること。
Twitterでつぶやいているせいか、日記の更新頻度が激減している。 よく、Twitterのつぶやきを日記にしている人がいるけれど、 その気持ちもわからないでもない。
一日一回自動的につぶやく「結城浩bot」も作ってみました。
私信:2010-01-11 11:26ごろ、結城の「幸福の王子」に関してフィードバックを送って下さった方。 返事を送ったのですが、メールアドレスが間違っているため、届きません。 ご連絡ください。 → お返事いただきました。お手数をおかけしました。
午前中は礼拝。 神さまをほめたたえるのは気持ちがいい。 お昼はケンタッキー。 少しお昼寝をしてから次男とバドミントンで遊ぶ。 夜は本について考える。 そんな日曜日。
アール・エフ・ラジオ日本のラジオ番組「わたしの図書室」で、 結城が訳した「幸福の王子」が朗読されますのでご案内。
番組名:わたしの図書室 制作局:アール・エフ・ラジオ日本 放送時間:毎週木曜日 夜23:30〜24:00 朗読者:井田由美(日本テレビ) 番組HP:わたしの図書室 放送日:2010年1月14日(木)
数学の先生から『数学ガール』への感想をいただきました。
ありがとうございます!
読者さんから
書店で見たことはあったのですが、 数学を噛み砕いた類書のよくあるタイプだと思っていました。 読ませていただいて、びっくりしました。
クヌースのことはかなり前にアメリカの数学者を紹介した本で読んだことがあったのですが・・
母関数を使うところなど、コンピュータ数学のところが特に新鮮でした。 「εーδを楽しむ」でしたか、対話形式の数学の本も読んだことがありましたが、 少女に数学を教えられたり教えたりする関係を取り入れることで、 このようにストーリーが豊かになることに驚きました。
題材、物語性、問題としてだして、解説をそのあとに持ってくるところなど・・ 驚嘆しました。
日本人がこのような素晴らしい数学読み物が書けること 日本も捨てたものではないなと思いました。
読んでいて興味を喚起するだけではなく、力がつく内容だと思いました。
引用されている言葉も、ためになるだけではなく、ロマンチックというか・・
本文に溶け込んでいることにも、数学文学の可能性さえ感じました。
3巻まで買い求め、1巻を読んでおりますが、続編も楽しみにしております。 また、参考文献のコンピュータ数学も学ぼうと思いました。
結城から
ご感想ありがとうございます。
「数学を噛み砕いた類書のよくあるタイプ」と思っていて、 読んでびっくりなさる読者さんはときどきいらっしゃるようです。 お読みいただき、感謝します。
現代の日本で、学校の先生は 非常に重要な役目を担っていると思います。 さまざまなご苦労があると思いますが、がんばってください。 応援しております!
ご存じの方も多いと思いますが「iTunes U」というのは、 アメリカの有名な大学のコンテンツを無料で入手できるサービスです。 いまさらながら、これは、とても素晴らしいサービスだと思います。
たとえば、StanfordやMITの講義をiPhoneに入れておいて、 電車でもスターバックスでも、 好きなところで見聞きできるわけです。 しかも無料。
勉強する気持ちのある人には、夢のような時代ですね。
具体的なコースを一つご紹介。 有名なアルゴリズムの教科書 Introduction to Algorithmsを使った講義(MIT)は 以下からダウンロードできます(iTunes)。
ネットを検索していて、 コミックマーケット(コミケ)に『数学ガール』の同人誌が出されていたことを知りました。
Twitterでその話題を出していたところ、 作者さんからコンタクトがあり、同人誌を見せていただきました。 ぱらぱら見たのですが、LaTeX + Eulerフォントで仕上げており、 分量もけっこうあり、読み応えありそうです。 チェックしたわけではありませんが、数学部分もがんばっているようです。
登場人物たちの会話もかわいいですね。
でも、なぜか、読んでいる結城のほうが照れちゃいます… ////
ともあれ、 『数学ガール』は、 同人誌が出るほど愛されているのだなあと実感したひとときでした。
午前中は今年最初の礼拝。賛美歌を歌う。 洗礼を受けてもう約20年。時の流れはほんとうに早い。 ほんとうに、ほんとうに早いなあ。
生きていく上で、大変なことや苦労ももちろんあったけれど、 神さまの恵みは、そんなことを吹き飛ばすくらい大きくて、 しかも継続的だなあと思います。 イエスさまを信じる信仰をもててよかったとしみじみ思います。 また、そこに導いてくれた素敵な女性(奥さん)にも感謝です。
生きていく上で、いろんな悩みごとはあります。 しかもそれは、年代によって変化します。 20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の悩みがある。 でも、神さまはそのすべてをご存じで、 必要なものをいつも備えてくださると信じています。 なぜなら、神さまが私たちの創り主だからです。
今年一年も、この小さきものがきちんと歩んでいけますように。 神さま、どうぞ導いてください。
今日Twitterで出した問題。頭の中で解く数学クイズ二題です。
(1) 正四面体を、平面によって同形同大の二立体に分割せよ。ただし、断面を正方形にすること。
(2) 正八面体を机の上に置く。一つの面が机に触れている。真上からこの正八面体を見たらどんな形になるか、頭の中にスケッチせよ。
※(2)は東大の入試問題ですね。
あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。
昨年はいろんな意味で『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』一辺倒な一年でした。 今年はどんな年になるのでしょうか。 どんな本になるかはまだよくわかりませんけれど、 一冊は新刊を出したいなあと思っています。 応援よろしくお願いいたします。
今年も、いつも喜び、絶えず祈り、すべてのことを神さまに感謝する一年でありますように。
みなさまの上にもいつも神さまの祝福がありますように。 現在、課題を抱えている人も、その課題を通して新しい道が拓かれますように。
イエスさまの御名によって、お祈りいたします。アーメン。
あなたのご意見・感想をお送りください。 あなたの一言が大きなはげみとなりますので、どんなことでもどうぞ。