2014年4月

結城浩の日記

目次

2014年4月22日

『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』刊行 この記事(2014年4月22日12:00)を含む「はてなブックマーク」    

昨日から今日にかけて『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』のサイン本がいくつかの書店さんで先行販売されています。

書店さんや読者さんのツイートによりますと、 書泉グランデさん、紀伊國屋書店新宿本店さん、横浜西口地下の有隣堂さんにサイン本があったとのことです。

通常販売は都内書店さんでは23日(水)ころから、それ以外では24日(木)ころからになると思います。 日付は書店さんの状況により前後しますので、詳細は各書店さんにご確認ください。

また読者さんのツイートによりますと、 店頭に並んでいなくても、書店には届いている場合があるらしく、 書店員さんに「『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』はありますか?」のようにお尋ねになると、 店の奥から出てくることもあるようです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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2014年4月14日

『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』の書影到着! この記事(2014年4月14日12:00)を含む「はてなブックマーク」    

『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』の書影が届きました。 すてきな色合いですね!

いつもと同じく表紙・イラストはたなか鮎子さん。 装丁・デザインは米谷テツヤさんです。

刊行は2014年4月25日ころの予定ですが、 アマゾンではすでに予約が始まっています。 先ほど、数学一般書籍ランキングで第1位になっていました!

みなさんの応援を心から感謝いたします。 m(_ _)m

本書を通して、さまざまな方が数学に親しんでくださるといいなあ…と願っています。 (^^)

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2014年4月8日

新サービス note(ノート)でページを公開してみる この記事(2014年4月8日12:00)を含む「はてなブックマーク」    

cakes(ケイクス)が新サービス note(ノート)を始めました。

初日で一万人以上のユーザが登録したようで、ちょっと盛り上がっています。

結城も即座にアカウントを作りました。

「投げ銭」スタイルの有料コンテンツを作ってみたところ、 何人かの方がご購入してくださいました。ありがとうございます。

でもその後、あまりしっくり来ない感じがしたので、 いったんコンテンツを整理しました。

現在は「結城メルマガ」のバックナンバーから、 いくつかのコーナーだけ切り出して無料コンテンツとしています。

お時間がありましたら、以下のノートをのぞいてみてください。

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2014年4月5日

マガジン航での短期集中連載「私と有料メルマガ」が完結しました この記事(2014年4月5日07:12)を含む「はてなブックマーク」    

マガジン航というサイトで短期集中連載していた「私と有料メルマガ」が完結しました(全三回)。

有料メルマガを発行しようという方はもちろんのこと、 文章やコンテンツ作成に関心のある方には興味深い内容になっていると思いますので、 ぜひお読みください(この連載そのものは無料で全文Webで読めます)。

第一回 皮算用編では、 私が「結城メルマガ」を始めようとした経緯と、始めたばかりの頃に起きたことについて書きました。

第二回 転換編では、初期の体験から自分が考えたこと、 そしてそれを踏まえて行った「結城メルマガ」の方針変更を書きました。

第三回 継続編では、現在の私が考えていることを中心に、 メルマガ執筆を継続させることの意味、継続させるために工夫していることなどを書きました。

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2014年4月1日

学校での勉強とは修行のようなものだと思っておりました(『数学ガール』の感想) この記事(2014年4月1日13:30)を含む「はてなブックマーク」    

社会人の読者さんから、たいへん考えさせられるご感想をいただきましたので、 ご本人の許可を得て公開します。

読者さんから

結城浩先生

はじめまして。数学ガール第一巻、拝読しました。 感想と言える程ではありませんが、感謝の言葉をお伝えしたく、メールさせて頂きました。

私は小学校の頃から算数が全く出来ず、他の科目の勉強はほとんどせずに算数、そして中学からは数学に時間を費やしてきました。 分からなければ前の単元に戻り、その前の単元、その前の。 それをいくら繰り返しても、結局私の数学への苦手意識が消えることはありませんでした。

疑問を持ち、先生やクラスメートに質問もしました。 そして帰ってくるのは「そういうものなのだから、そういうものとして覚えなさい」という答えだけでした。

数学は理解するものではなく、覚えるもの。
覚えてしまえば答えは出ない訳がない。
繰り返せば勝手にできるようになるよ。
何故出来ないの?
努力が足りないだけでしょ?
こんなに頑張って教えているのに、もうどう教えればいいのか分からないよ。

これらは皆、中学校の頃に教員や家庭教師、塾の講師に言われ続けてきた言葉です。

それどころかどれだけ繰り返し問題を解いても点数の上がらない数学に時間を割いた影響か、 他の科目でも目に見えて得点が下がり始め、高校当時の担任である数学教師からも文系コースを希望するよう勧められました。 「君はもう数学をやらなくていい。無駄なものに時間を割いて、ほかの教科までダメにすることはない」 と、数学の追試前日に告げられ、これから受ける追試の「解答」を手渡されました。

これが決定打でした。

留年せずに済んだ安堵感と、それ以上の絶望的な徒労感を味わい、それ以降数学を目にすることはありませんでした。

※ちなみに、加減乗除程度は最低限できますが、因数分解や一次方程式で何をどうすべきか、何を求めているのか、正直申し上げて今ではもう覚えておりません。最後に学校で学んだ数学は数I、数A、及び数IIの途中までです。恥ずかしながら「冪乗」「虚数」等の言葉も先生の御本で初めて知りました。

※私の高校では2年生の後期より理系(国公立含む)と文系でクラス分けが成され、2年生の前期末に意思を訊かれます。国公立への進学を当時は考えておりましたので、理系コースを希望しましたが、その期末試験でも赤点を取ってしまい、前述の追試前に理系への進学を断念しました。化学や物理も数学同様の惨憺たる状況だったこともあり、ある意味では担任の温情だったのかもしれません。

その後私は親への罪悪感を感じつつ、センター試験を受けずに私立文系の大学へ進み、就職しました。 現在の職業は数学とは程遠い業界です。

ただ、私が数学を自ら放り投げてしまったことを悔やんだのが、東日本大震災でした。

その当時、私は東日本の一都市で業務にあたっておりました。 震災から少し経った頃、それまで我々の業務には必要とされていなかった知識を学ぶ必要に迫られました。 具体的に申し上げることは差し控えさせていただきますが、私は急遽その対応に追われることとなったのです。 そして、これが今この瞬間にも多くの人に必要とされている知識だと知ると同時に、それが生兵法の知識や生半可な覚悟では取り扱えないということも思い知らされました。

どういった勉強をすべきか社外の方にお尋ねしたところ、その方曰く、とある資格を取る勉強をしていく中で身につけて行けば良いとのことでした。 早速書店でテキストを買い求めようとそれを開いてみたとき、私は大きな後悔に襲われました。 そこにあったのは全て私がこれまで投げ出してきたものばかりだったからです。
※その後間もなく、私は他県へ異動となり、その担当からは外れました。

使いたい時に使えなくなってからでは遅い。 本当にその通りだと思います。

これまで、学校での勉強とは修行のようなものだと思っておりました。 残念ながら、算数や数学のみならず、「学びの喜び」「理解する喜び」というものを終ぞ味わったことがありませんでした。

ひたすら苦しく、義務でもあり、分からなければ責められる。
自分がこんなに頑張って教えているのに、何故君は分からないんだ。
そんな風に言われるだけの勉強なんて面白くない。 そのような思いを、これから先、勉強をしていく子供たちには絶対に味わって欲しくありません。

いや違う、数学とは、学問とは楽しいものなんだ、という視点を与えていただいた結城先生に感謝致します。 出来たら私も数学、そして学問の面白さをもっと早く知りたかった。 理解することを楽しんでいる「僕」の姿が、私には本当に眩しいです。

今は算数の段階から少しずつ勉強をし直してみています。 何年かかるか分かりませんが、私もこれから先、学びを通じて喜びを味わえることがあるとしたら、それは楽しそうに数学を学ぶ、「数学ガール」の登場人物たちと先生のお陰なのかも知れません。

お体ご自愛頂き、今後のご活躍をご祈念しつつ末筆と致します。
お読み頂き、ありがとうございました。

結城から

ご感想ありがとうございます。

あなたのお手紙を読みながら、なんともいえない思いで胸が苦しくなるようでした。 勉強ができなくて責められることもつらいことですが、 追試の「解答」を手渡されたときの「徒労感」を想像すると、 じんわりと涙が出てきます。

また、あなたが書かれている「これが今この瞬間にも多くの人に必要とされている知識だ」や、 「そこにあったのは全て私がこれまで投げ出してきたものばかりだった」に対しても…… 何というか、そこで受けた衝撃はどれほどのものだったでしょう。お察しいたします。

私は、自分の力に合わせて学ぶことは大きな喜びであると思っております。 どうか、あなたが、少しずつ勉強をお続けになって、 いつか心から「学ぶことは喜びである」と感じていただければとてもうれしいです。

これからの学びが豊かな実を結びますように。

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