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Bruce SchneierとNiels Fergusonの最新刊、 "Practical Cryptography"をアマゾンにて入手。 さまざまな意味でどきどきしながらパラパラと読む。
なぜどきどきするかというと、 いま 私が書いている本を吹き飛ばしてしまう内容だったらどうしよう、 などと恐れてしまうわけです (実は、本を書いているときはいつも、書店でどきどきしたりします。たいていは杞憂なのですが)。 でも、大丈夫そうなので、ちょっと安心。 とりあえず、私の『暗号本』の参考文献に追加、と。
もっとプログラマよりの内容なのかと思ったけれどそうでもないし、 もっとやさしい本かと思ったけれどきっちり数式は出てくる。 Applied Cryptographyの要約+新情報といった趣、 という第一印象。
…という第一印象をそのまま「山形浩生勝手に広報部部室」に書いたところ、 やまがたさんから「同じ印象を持ちました」というお言葉をもらいました。 なんと、すでにAmazon.comのほうに、
This book is, sort of an executive summary of Applied Cryptography (AC), with some updates.
という内容のCustomer Reviewを書かれていたようです。 やまがたせんせーは仕事が速い。
[CR]
今日で4月も終わりなのだが、
相変わらず「ぢみにやつてゐます」…φ(._.)
。
とりあえず、編集部に現状報告のメールを出す。
レビューアさんたちのコメント反映はだいぶ進んだが、TODOはなかなか減らない。
ちなみに、レビューアさんとのメールのやりとりは現在総計3403通。
レビューアさんからのアンケートも随時更新&公開中。
メールマガジンの「まぐまぐ」はこれまで広告を挿入しなかったのだが、その方針を変更。 5月1日から「お知らせスペース」という名前の広告を入れる(まぐまぐの広告のみ)。 うーん、広告が入るようになったら[Letter]はまぐまぐで送るのをやめよう。
[REF] JAVA Developerの連載記事を編集部へ送付。まずは一息。
[PI] 引き続きC MAGAZINEの連載記事を書く。
今日は天気がよかったので、家族四人で公園を散歩してから、 近所にお昼ご飯を食べに行きました。 公園では、ボールを投げたりキックしたり、 滑り台の上と下でボールをころがしっこしたりして、 クルクルと楽しそうに遊びました。 家内と私は定食を頼み、長男は冷やし中華、次男はサンドイッチを食べました。 デザートに、よく冷えた杏仁豆腐を食べました。 帰ってきてから家内はお昼寝をし、 私と子供たちの三人はレゴのブロックでいろんなものを作って遊びました。
夜はみんなでビデオ屋さんで借りてきた『サウンド・オブ・ミュージック』を観ました。 名作はやはり名作。 字幕スーパーなのだけれど、長男も次男も楽しんでおりました。
家内と次男は先にお風呂に入り、その後私と長男がお風呂に入りました。
私「言葉を使った活動には「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つがある」
長男「そうだね」
私「4つ、言ってごらん」
長男「え?「読む」「書く」「聞く」「読む」」
私「「読む」が2回出てきたよ。「読む」と言ったときには読んでいるようすを想像してごらん。「書く」というときには書くようすを…」
長男「「読む」…「書く」…「聞く」…「話す」かな」
私「はい、正解。じゃあこの4つを2つに分類してみよう。どういう分け方がある?」
長男「「読む・書く」と「聞く・話す」だね」
私「それはどういう分け方?」
長男「え?だって反対の言葉を合わせただけなんだけど」
私「「読む・書く」のほうには文字が登場する。「聞く・話す」のほうには文字ではなく声が登場する」
長男「ふむふむ」
私「こういう分け方もあるよ。「読む・聞く」と「書く・話す」に分ける。これはどういう分け方だと思う?」
長男「あのねえ…「読む・聞く」っていうのは、何かこう取り込むって感じ。「書く・話す」のほうは自分からやる、って感じ」
私「そうだね!「読む・聞く」のほうはインプットという。『インプット』」
長男「インプット。インプットってなに?」
私「外から自分の中に取り込むってことだね。逆に「書く・話す」のほうはアウトプットという。『アウトプット』」
長男「アウトプット」
私「こちらは自分から外に出すっていうことだ。ところで、聞くことと話すことはどっちが簡単だと思う?」
長男「それはやっぱり聞くこと?」
私「いや、そうとも限らない。聞くことは意外に難しい。話すことは簡単だ。話すときには自分が考えていることを話せばいい。でも聞くときには相手が言うことを聞かなければならない。相手が難しいことを言い出したら…」
長男「あっ、それは難しくなるね」
私「信仰は聞くことからはじまる、といわれている。自分が話すのではなくまず、神さまの声をよく聞く。聖書の御言葉をよく読んで、神さまの声に耳をすませる。御言葉を自分の中にたくさんインプットしていなければならない」
長男「ふんふん」
私「神さまのこと、イエスさまのことを「主(しゅ)」っていうでしょう?なぜ「主」かというと、神さまが主だからなんだ。神さまが話す。私たちが聞く。そこから信仰が始まる。自分が話してばかりいては聞くことはできない。聞くことはとても大切だ。『信仰は聞くことからはじまる』」
* * *
私「じゃあ、数を数えてから上がろう。0, 1, 10, 11, 100, 101, 110, 111, 1000, 1001, 1010, 1011, 1100, 1101, 1110, 1111, これで0から15!」
長男「それ何?」
私「2進数」
長男「2進数で数えるなあぁ」
私「数えてごらん」
長男「そんなの覚えられないよ」
私「きみは10進数で数えるとき、全部覚えているの?違うよね。0から9までの数字と、位上がりのルールだけを覚えている。2進数でもそれと同じだ」
長男「同じ?」
私「そう。まず10進数で使う数は0から9までの10個だけだ」
長男「うん」
私「で、0から9までいったら、次はもう数がない。だから1の位は0にもどす。その代わり上の位が1に増える。これが10だ」
長男「ふんふん」
私「さらに、10から19までいったら、1の位はまた0にもどす。その代わり上の位はこんどは2になる。これで20」
長男「うん」
私「それを繰り返していけばよい。2進数で使う数は0と1の2個だけだ。そして0から1になったら、次はもう数がない。だから1の位は0にもどし、上の位が1に増える。これが10(イチゼロ)だ」
長男「ふんふん」
私「次は11(イチイチ)になる。次は?」
長男「え?…01かな?」
私「違う。こんどは位上がりが2回連続になる。10進数の99から100になるようなものだ」
長男「うーん。100?」
私「そのとおり。100(イチゼロゼロ)だ。次は101(イチゼロイチ)。その次は?」
長男「110(イチイチゼロ)かな?ややこしいね」
私「その次は111(イチイチイチ)だ。次は?」
長男「1…ゼロがたくさん」
私「1000(イチゼロゼロゼロ)だ。これは10進数でいえば8に相当する量だね」
長男「位上がりがすぐ起こるから大変だよ」
私「そうだね。人間には大変だ。でもコンピュータにはこのほうが楽だ。コンピュータは同じことの繰り返しがとても得意だから。0と1という数のことだけを考えていればいいから、桁数がすごく多くなってもコンピュータには2進数のほうが楽なんだ」
長男「人間は10進数のほうが楽だよ」
私「そうだね。人間は数の種類がある程度あって、桁数が少ないほうが楽だね。2進数は0と1の二つしか数を使わないけれど、その組み合わせで大きな数を表すことができる」
長男「まるでレゴのブロックで大きなものを作るみたいだね」
私「その通り! あなたはとても賢いねえ」
RFIDの話、森山さんの日記に対して高木さんが反論。
先日私も「にわか勉強」したので、上記の高木さんの主張はよく理解できた。面白い。 確かに、暗号化しようがなにしようが、固定IDが振られている限り、プライバシーの問題は発生しそうだと結城も思う。 使い捨てのセッションIDを作り出せればよいのだが、そうすると機器の単価が高くなってしまうだろう。 おそらく、有効な解決策はまだ発明・発見されていないのだろうと私も思う。
yomoyomoさんがYukiWikiにリンクページを作ってくださったのでご紹介。
月末+連休繁忙期也。
メモ。
RFIDについて15分ほどWebで「にわか勉強」しました。
別の方からまたまた 素敵なメールをいただいたのでご紹介します。
結城さん、こんにちは。
この 「絵本を読むときのパターン・ランゲージ」を読んで、寝る前の読み聞かせを始めました。 といっても、長い話だと親がくたびれてしまって怒りたくなってしまうので、「そらまめくんとながいながいまめ」を読んでいます。 布団に並んで入り、そらまめくんの本を読みながら挿絵を見て、「あっ、これはオオバコの葉だ」「これは見たことあるけど、なんの花だろう?」と子供だけでなく自分も楽しんでいます。 こども達が自分で本を読めるようになった時に、想像の翼を自分でひろげることが出来たら、嬉しいなと思います。 私は今でも「ゲド戦記」が好きで本の中に入り込んでいます。子供も同じ喜びを味わえたらいいな…。
[CR]仕事。えーん、おててが痛いよう。いつものことながら…ψ(;_;)
。
素敵なメールをいただいたのでご紹介します。
結城様
こんにちは。 イースターの日、これまでに思いもしなかった 素敵な素敵なイースター礼拝にあずかりました。 教会での祝福をいただいて1週間を歩む生活が、 とても嬉しい毎日です。 神様がこんな日を私に用意していてくださったなんて‥。 こんなに幸せでいいのかな、という思いで、いっぱいです。
「絵本を読むときのパターン・ランゲージ」の中の、 「お祈りと子守唄」を拝見して、思いました。 私の2人の子供達にも、ずっと読み聞かせをしてきました。 寝る前に寄り添って本を読んでもらうのは、きっと気持ちの いいことだと思うのですが、それ以上に、母親の私が、 この時間をどんなに楽しんでいたでしょう。 私が本を楽しいな、おもしろいな、こわいな、と思っている ことが、子供にはそのとおりに伝わります。 途中で自分が眠くなって、無理に文字だけ追って読んで しまった時でも、子供はちゃんと聞いているので、あとで 寝顔を見ながら(きょうはごめんね)と謝ったり‥。 この時間は母と子の大事な時間、私も幸せになれる時間です。 下の男の子が小学5年生になりました。 でも、まだ続いています。もうしばらく、読み聞かせを続けさせて ください、神さま。
「今日一日を感謝するお祈り」を読んで、こんなお祈りが できたら本当にいいなあと思いました。 幸せな気持ちで安心して眠りに落ちることができるでしょうね。 子供は、食事の時と、就寝前に悲しいことがあると、成長に 重大な影響があると、何かで読んだことがあります。 親は子供に対して、とても大きな責任を負っていますよね。 すこやかな心を育ててあげたい、と願っています。
チューリング賞2002はRSAの三人になったのですね。
[CR]
今日も相変わらず「ぢみにやつてゐます」…φ(@_@)
。
レビューを読んでいると「ひええ、そんな誤りによく気がつきましたね!」と驚くことがしばしば。
…日記の日付が誤っていました。ご指摘くださった方々、ありがとうございます。
[CR]
今日も相変わらず「ぢみにやつてゐます」…φ(._.)
。
このような日記に意味があるかどうかは不明だが、
少なくとも私にはある意味があるのであったといえるのであるであろうよ。(どこか壊れているあるよ)
イエスさまの御名を賛美します。
イースターに受洗なさった方からメールをいただきましたので、 許可を得てみなさんとシェアしたいと思います。
この方は、どうしても物事を負の方向にしか見ることができず、 同僚と見比べ、自分には生きる価値がまったくないと思っていらっしゃったそうです。 でも、外側にはそのようなそぶりが出ないため、 自分が悩みに悩んでいることはおそらく誰も気づきませんでした。 しかし、そのような思いがこの方を教会へ導き、 クリスチャンになる決心へと結びついていったとのことです。
栄光なるイエスさまをほめたたえます!
メール
イースターおめでとうございます。 結城様; はじめまして。 いつも結城さんのHP&java、perlの本&Cmagazineに大変お世話になっている一ファンです。 今日はイースターですが、実は私今日、洗礼を受けました。 信仰告白と浸礼という形でとても緊張致しましたが、 すごく神聖な、一生忘れ得ぬ日となりそうです。 自分の教会との出会いは、ひたすら「助けて欲しい」という私の思いに、 神様が哀れみを下さったものと思っています。 まだ教会に通い始めて3ヶ月と早い洗礼でした が、バプテスマを受けるという決心に至るには、 結城さんのHPにかなり影響を受けたことは事実です。 「祈りの心がけ」、「聖書を読みたい・教会へ行きたい」を始め、 結城さんのHPはとても参考になりました。 そして、私にとって、何より結城さんがクリスチャンだという事実が私を勇気付けて くれました(変な言い方ですが・・・)。 今だ興奮冷めやらぬ私ですが、 どうしてもお礼が言いたくて突然ですがメールを差し上げました。 本当にイエス様の救いの道へと私を歩ませてくださってありがとうございます。 幸い、教会の方々は皆様とてもよくしてくださって、 牧師さんも私の尊敬すべき方のうちの一人です。 生来落ち込みやすい性格故、何かと将来、未来が不安で不安でならない私ですが、 イエス様を見習いて、聖書の御言葉に心を少しでも留めて置くことができればと 思っています。 勝手なメールで失礼いたしました。 今後とも結城様にとって、益々充実した日々を過ごされることをお祈り申し上げます。 アーメン
結城の返事
主の御名を賛美します。 洗礼、おめでとうございます! すごくうれしいです。よかったですねえ! 未来が不安でならない、とのことですけれど、 その繊細さも主に用いられることと信じます。 これからの人生が、どんなときにも主に導かれ、 豊かな実り多いものとなりますようにお祈りいたします。 アーメン!
イースターおめでとうございます。 イエスさまの復活を喜びつつ、感謝!
openphoto.netとmove?というサイトから借りて、 トップページにちょっと画像を入れてみました。
[CR]今日も今日とてクリプトグラフィ。
次男がお昼寝をたっぷりしたのでなかなか眠らない。 『ズーム、エジプトをゆめみて』を途中で切り上げようとすると、 「さびしいからねむれない」とのたもう。 しかたがないので、次男が眠るまで一緒にお布団で横になる。 プリントアウトした原稿を枕元に広げて朱を入れる。 一章読み終えたころに次男はくーくー眠っている。 眠っている子供は、天使のようだ。
ごそごそ仕事をしていると、 奥さんが「気分が悪くてねむれない」とのたもう。 昼間、子供服を探したりしていろいろ大変だったので、疲れが出たらしい。 窓を開けて換気し、梅干の入ったおにぎりを作ってあげると、 気分が落ち着いた模様。
土日にはレビューアさんからのメールも多くて、とても楽しい。
[CR] 「暗号本」の「レビューアへのアンケート」を公開しました。 随時更新します。 レビューアさんには本当に大きなはげましと助けをいただいています。 心から感謝します。
[CR] ばたばたしつつもたんたんと。
[CR] 昨日はばたばたしていて、あまり進まなかった。 今日はどうでしょうかね。
[CR] 朝から仕事。早朝に文章を読むのは楽しい。 今日も主が活きておられることを覚えて感謝。 まとめの章を読み返し、レビューアさんのコメントを反映。 構成でひっかかるところを微調整し、言葉をより適切なものに置き換える。 句読点の位置を動かし、冗長な言葉を整理し、舌足らずなところを補足する。 細部をいじったり、全体を見渡したり。
[DIG] 日記ダイジェストを更新しました。
4月1日と4月7日に出したクイズの解答を書きます。
一言で言えば、$2^{160}$の配列を作ることは事実上不可能だからです。
160ビットの値を添字に持つ配列を作ってみましょうか。 1個の値を格納するのに1個原子を使うとします(本当はもっと原子が必要でしょうけれど)。 すると、$2^{160}$個($10^{48}$個以上)の原子が必要になります。 ところで、地球を構成している原子の数はおおよそ$10^{51}$個ですから、 配列を構成するのに地球上の原子の1000分の1を使う必要があります。 おおざっぱに言えば、地球を立方体だと考えて、 10×10×10のマス目に区切ったときの一個分ってことですね。
もちろん、これは非現実的なサイズになります。
[CR]今日も「ぢみにやつてゐます」…φ(._.)
。
コメント反映は着実に行われているが、TODOがなかなか減らないな。 まあ、進捗が定量的に計測できることはよいことですけれど。
昨晩は、日経BP社の竹田茂さんと、 ある出版社の編集者さんのお二人にお会いした。 特にお仕事の話というわけではなく、 ネット関連の情報交換というような趣の飲み会。 私は、 中華料理のテーブルの上でOpenOffice.orgのImpressを使い、 自分の最近の活動を紹介する。 竹田さんはコミュニティの先端的なお仕事をなさっていて、 ネットコミュニティとビジネスの関連をさぐっていらっしゃる模様。
「リアルで会う」ということにあまりこだわっていない結城に対して、 竹田さんは「面白そうな人がいるととにかくすぐに会いたくなる」とのこと。 経済にうとい結城に対して、ビジネスのことをよく考えていらっしゃる竹田さんのお話は新鮮。 竹田さんから「結城さんはサイトを直接ビジネスに結び付けようとは思わないんですか」と聞かれるが、 私は「思わない」と答える。いまだって十分本の宣伝には役立っていると思うし、 それにwww.hyuki.comを有料サイトにしたり、 サービスに課金したりするのが、訪問者に歓迎されるとはまったく思わないから。
編集者さんの方は、 私がよくお世話になっている本の編集をなさった女性で、 もっと詳しい話を聞いておけばよかったとあとから少々後悔。
お二人ともとても話が面白く、楽しいひとときを過ごす。 何だか調子にのってすごく失礼なことを言ったような記憶もよみがえるが、 ゆるしていただけるとありがたいです。
お二人から、 Webでの結城の文章から受ける印象よりも「ずっとくだけた雰囲気ですね」といわれた。 「もっとかしこまった雰囲気の人かと思った」などと。 そういえば先日のyomoyomoさんのWikiWayサイン会のときも「結城さんって、なんてファンキー」と言われたし。 うーん。
私の文章がかしこまった印象を与えてしまうのは、 Webでは、できるだけ人から誤解されないように、 真意がストレートに伝わるように言葉を選んでいるからかなあ。 冗談は必ず(冗談)と書くし、 皮肉やほのめかしは書かないように努力しているし。 特に、ネットで皮肉は危険だ、と思っている。 私はできるだけまっすぐ言葉が伝わってほしいと思っている。 具体的に言えば、 私が「それは素敵ですね」といったらほめ言葉として届いてほしい、 ということだ。 いつも皮肉っぽく書いていると、 「それは素敵ですね」といっても「何か裏の意味があるんじゃないか」とかんぐられる危険性がある。 …という話は確か以前に書きましたね。
[CR]今日も「ぢみにやつてゐます」…φ(._.)
。
喫茶店で仕事をしていると、 向こうの席から私の方に両手をかざし、念波を送ってくるような姿勢の女性がいることに気づいた。 まっすぐに両手を伸ばし、手のひらを私に向けている。 中年のご婦人なのだが、目は中空を見ていて、 私に焦点があっていない。
いったい何事だろうと思い、じっと観察する。 少ししてその女性は両手を下ろし、自分の両手の爪に息を吹きかける。
何のことはない、この女性は、 爪に塗ったマニキュアを乾かしていたのであった。
やれやれ。(^_^;
結城が昨年出版した『Java言語で学ぶデザインパターン入門 マルチスレッド編』の韓国語版が出版されました。 これで、「デザパタ本」と「スレッド本」の両方の韓国語版が出版されたことになります。 関係者のみなさんに感謝し、主の御名をほめたたえます。
「スレッドお化け坊や」も韓国へ(^_^)
こちらがデザパタ本で…
→
こちらがスレッド本です。
→
以下が「スレッドお化け坊や」たちです。 スレッド本には、この子たちがたくさん登場します。
Two-Phase Terminationパターン
Worker Threadパターン
Thread-Specific Storageパターン
↑私、このイラスト大好きなんです。java.lang.ThreadLocalってこういうことですよね。
うれしいメールをいただいたので、 みなさんとシェアしたいと思います。 以下、送ってくださった方からの許可を得て掲載しています。
はじめまして、結城様。時々読ませていただいています。 「本音の祈り」の、「私たちは何度も何度も落ち込む。‥」 以下に、とても心を動かされました。
私は結城様のHPにも助けられて、 つい2週間前から再び教会に行き始めた者です。
きょうは自分の罪についてまたがっくりと落ち込んでいました。 その時に思ったのですが、罪というのは実態を考えると、 本当にきたなくて、どろどろしているものなのだなあと‥ それをけがれのないイエス様に負わせてしまっているのだなあと思って、 切なくなりました。罪を犯さないと思っていても、 そうはならない自分。深く後悔して、赦しを願いながら、 こんなことを何度繰り返してもまた同じ間違いをしてしまう自分。 神様は愛の方とわかっていても、 こんな自分に私が愛想をつかしたくなってしまいます。 この罪深い私をどうか赦してください、と祈るしかありません‥。
そんな中、結城様の文を読んで、励まされました。 「イエス様の十字架をいつも思い出し、聖書を読み、祈りましょう。 その愛の訓練を、一つ一つ、失敗しつつも神様にゆだねつついきましょう。何度も‥繰り返し‥」 罪の中からも祈ってよい恵みに感謝します。結城様、どうもありがとう。
この方の人生すべてが主に導かれ、 教会での学びも聖霊様が導き、解き明かしてくださいますように。 そして最善の時に洗礼を受けることができますようにとお祈りいたします。
夜、寝床で絵本『ズーム、エジプトをゆめみて』を次男のために読む。 この本は、ズーム三部作の最終刊だ。 最近はずっとこの本が 「お気に入りの一冊」になっている。 この本はインディー・ジョーンズ風の趣があって、 長男が小さいときには恐がったものだけれど、 次男はけっこう喜んで聞いている。 同じ 「ファンタジーの翼」を広げても、子供の反応はそれぞれに違う。これも個性か。 「ゆっくり読んで」いるうちに、次男はすぐに眠ってしまう。
子供を眠ってから私も仮眠をとる。 真夜中に起きて一気に[PI]の残りを書き、 朝方に編集部へメールする。 今回は、Single-Active-Instance Singletonパターン。
感謝。
[PI] 淡々と仕事。
[CR] うにゃー、いえすさまー。
ぢみにやつてます…ぢみにやつてゐますとも…φ(._.)
「地味」は「正字正かな」だと「じみ」だろうか「ぢみ」だろうか、
という疑問に対して、闇黒日記で「ぢみ」というご解答をいただいたので、
安心して「ぢみにやつていく」ことにします。(^_^)
(補足:解答ではなく、回答でした。伍して機関車…じゃなくてご指摘感謝します>Nozたん)
[CR] うにゃー。 いまの段階だとまだまだ加筆したくなるのだが、 スティーヴン・キングの『文章作法』によれば実は、 もっと削るべきなのではないか、とも思ったりする。
暗号なんて(分野が偏っているにせよ)数学に他ならない。 それを、数式を使わずに、 でも技術的にウソにならないように、しかも読んで面白く、 ときどき「なるほど」といってもらえるように本を書く、 というのは何と大変なことでしょう。
ぢみにやつてます…φ(._.)
[CR]うにゃー。 ちなみに、 コメント反映の残り量とTODOの個数は、Perlのスクリプトで原稿ファイルから自動的に抽出、カウントしています。 残り作業量の目安とするために。
[CR]コメント反映をうにうにと。 だんだんと「ぢみにやつてます」の世界へ突入…。
「地味」は「正字正かな」だと「じみ」だろうか「ぢみ」だろうか。
レビューアさんからのメールを読んでいて、 レビューとは直接関係ない部分で むちゃくちゃ結城にウケた一文がありました。 それは、
私は(数日勘違いしていて)「今年は派手だな」と思ってしまいました。(^^;;
というもの。 私は一瞬何のことだかわからなかったのですが、 このレビューアさんは、 hyuki.comにつながらなかったのを「エイプリルフールネタ」だと勘違いなさっていたとのこと。 いやあ、このメールできょうは朝からとっても楽しませていただきました。感謝します。 確かに、エイプリルフールネタでサイトにアクセスできなくするというのは究極的なネタかもしれません(冗談)。
昨晩は次男が急に高熱を出したが、数時間で熱が下がり、次の朝には平熱になっていた。 お祈りくださったみなさんに感謝し、癒し主であるイエスさまの御名をほめたたえます。
[CR](re) 最終章のブラッシュアップ。 昨日どどどどと書いた文章を読み返しながら、 内容を整え事実関係のチェックを行う。 数回読み直すとレビューアさんに送れる状態になりそう。 送るのは、たぶん今晩かな。 やっと最終章も完成だ。 感謝、感謝。
Movable TypeのTrackBackの機能は楽しそう。
TrackBackというのは、 Webのリンク元からリンク先に対して明示的にリンクの存在を知らせる機構。 通常は逆リンクをたどるのはREFERERなどを使う。 でもTrackBackは 「わたし、あなたのその記事に対してリンクを張ってますよ」 と明示的に知らせる。 実際にはリンクを張ってなくてもよくて、 要するに「あなたのその記事に関する話題は私のところでも展開してます」という主張なのだと理解 (違うかもしれない。違っていたら教えて)。
ということは、別にMovable Typeを使っていなくてもTrackBackは実現できそう。 Googleで探してみると、確かにPerlにNet::TrackBackというモジュールがある。 それに、Movable TypeのサイトにはスタンドアローンのTrackBackがある。 楽しそうだが、自分の日記で実験する暇がない。 誰か静的なHTMLでTrackBackの実験している人はいないかな。
[CR](re) 最終章の後半部分をどどどどと。 まずは頭の中にあることは吐き出したぞ。 何とかまとまりそうである。 とても、とてもよい。 他の章も読み返すと、とてもいい味わいに仕上がりつつある。 分量が多いのがちょっと気がかりだが、その欠点を上回るだけの内容になりつつある。 読み返すと、自分で「うーん、面白いなあ」とうなってしまうもの。 これは現代日本の暗号技術入門書の白眉になるのではあるまいか(言い過ぎ)。
冗談はさておき、面白い本です。 量が多いって書いたけれど、 (非常に頭がいい人や専門家はさておき) 本当に理解するにはこのくらいの分量がないと理解できないのではないだろうか。 少なくとも私はそう。 このくらいの分量を書いてみて、 やっと私は暗号技術の一端をつかんだ気持ちになれました。
書き始めたのが昨年の9月だからもう半年以上だ。 がんばって早く(しかも質を高めつつ)まとめたい!
神さま、神さま! ここまで導いてくださったことを感謝します。
神さま、あなたはすばらしい方。賛美されるべき方。 すべての栄光、すべての栄誉はあなたのものです。ハレルヤ。 「暗号本」を、ここまで書き進められたことを感謝します。 多くの困難がありましたし、これからもありますが、 いつも喜びつつ書くことができるから感謝します。 もうすぐまとめに向かいますが、どうぞ最後まで祈りつつ、感謝しつつ、 仕事を進めることができるように助けてください。 そして、この本をあなたの栄光のために用いてくださいますように。 この本を必要としている人のところに届けてくださいますように。
イエスさま。 たくさんの人がこの本のために、この小さきものの活動のために祈っていることをあなたはご存知です。 どうぞそれらの人々の上に、あなたからの祝福が豊かにありますように。 またレビューアさんの中には、さまざまな困難を覚えている方もいらっしゃいます。 そのこともあなたはすべてご存知です。どうかその方々の上には特別の励ましがありますように。 あなたの愛を豊かに注いでくださり、生き生きとした人生を送ることができますように。
ハレルヤ、イエスさま。あなたの御名をほめたたえます。 あなたは無から有を生じなさる方。預言し成就なさる方。 組み立て、建て上げ、築き上げる方。 アーキテクトなるあなたの御名をほめたたえます。 どうか聖霊様が必要な知恵と導きを与えてくださり、 この本を完成させることができるように。 おごり高ぶることなく、謙虚な気持ちで、書き進めることができるように助けてください。
この者は弱い者、小さき存在です。いつもたくさんのいろんな出来事の中で押しつぶされそうになっています。 けれど、私の弱いところにこそ、あなたが働かれることを私は信じています。 そうです。聖霊様が与えてくださる信仰を感謝します。 どんな状況が起こったとしても、主よ、あなたを信頼できるように助けてください。 自分の力では何もできないからこそ、あなたが完全にご支配くださることを信じます。 あなたはすばらしい方です。恵みを与え、この小さき者を深く哀れんでくださる方です。 あなたの御名をほめたたえます。
あなたを信じることができる喜びを感謝します。 信ぜよ、とあなたがお命じになるので信じます。 喜べ、とあなたがお命じになるので喜びます。 主よ、あなたを信じる信仰を喜び、感謝します。
どうぞ1人でも多くの人がイエスさまの愛を知り、あなたの救いのみわざに触れることができますように。 特に、現在困難を覚えている方の上に、あなたの福音が伝えられますように。 ひとりびとりが主の前に心を開き、あなたの救いを受け取ることができますように。
新しい季節が始まろうとしています。新しいものが生まれつつあります。 生まれるものを、主が聖別してください。 主よ。すべてはあなたのものです。あなたの御用に用いてください。 あなたはよい方ですから、あなたの御手のわざによって、すべてのものがよいものへと変わります。 あなたの御手を感謝します。
すべてのすべてを主に感謝し、イエスさまのお名前で祈ります。 アーメン! ハレルヤ!
[CR](re) さて、暗号本も最終章である。 とりあえずは頭の中にある内容をどどどどとテキストファイルに流し込む。 うん、なかなかよろしい。感謝、感謝。
最近の執筆スタイルとしては、 秀丸で文章を書き、PerlのスクリプトでLaTeXに変換し、 それをPDFで読み、秀丸で校正するというループになっている。 秀丸で文章を書き、秀丸で文章を読んでいると、 視点があまり変わらないように感じるから。 そう考えると、WYSIWYGのワープロにも意味はあるのかもしれないと思ったりもする。
おととい送付した原稿に対するレビューが早くも届き始める。 感謝。
視点が変わるといえば、レビューアさんからのレビューを読むのはとても楽しい。 なるほど、そういう考え方もあるのか!と驚くことも多い。 他の人の指摘というのは千金の重みがありますね。 よいツールを使って文章を書くことも大事だけれど、 書いたものを人に読んでもらうというのはとても勉強になると思う。
ツールといえば、 Movable Typeをインストールして少し動かした。 実はこれでインストールするのは3回目なのだが、 インストールした後は、 なんとなく削除してしまうことが多い。 今回ももうすぐ削除してしまうだろう。 理由は、現在の自分のWeb日記のスタイルが手になじんでいるからかな。 テキストで書いて、MakeWebでHTMLに直し、 UpFtpでサーバに転送というサイクルがしっくり来ているのだろう。 他の人の日記と深く連動したいという気持ちがあまりないことも理由になるかも。 他の人の日記からリンクされたり、 リンクしたりするのが嫌いというわけではないのだけれど、 あまり濃厚にリンクしたいとは思わない、ということかな。
mod_phpをサーバにインストールしようとしたとたんhttpdが死んでしまい、 ちょっと難儀した。telnetでポート80につなごうとしてもつながらないので、 いったいなにが起こったのやらと一瞬考え込んでしまった。 プロバイダに連絡して再起動してもらった。
人から指摘されることに関して補足。 これまでも何度か書いている話だけれど…。 以前、闇黒日記で、 結城のサイトのHTMLの書き方がひどい状態になっているというご指摘をもらったことがある。 それから私は、 MakeWebをかけた後に必ずHTML-Lintもかけるようにmakefileを修正した。 現在もあちこちあやしいHTMLはあるけれど、以前ほどはひどくないと思っている。 これは他の人から指摘されたことによって改善できた1つの例である。 これだけではない。誤字・脱字・リンク切れ・技術的な誤り・補足情報など、 私がWebで公開している情報に関しては、多くの方からご指摘をいただいている。 もちろん中にはぶっきらぼうな指摘や、 意地悪な表現もなくはないのだけれど (闇黒日記が意地悪だったというわけではないです。念のため)、 それらもすべてまとめて感謝なことである。 なぜなら、そのような指摘を行うために、 送り手は貴重な時間を私のために割いてくださったからだ。 学校を離れ、社会で生活していると、 「人から指摘される」ということの大切さが身にしみてわかる。 特に、耳に痛い指摘ほど重要な可能性が高い、ということも。 だから、私はこの闇黒日記の話を感謝しつつ繰り返し日記に書くのだ。
hyuki.comの名前がうまく解決できなかった問題でばたばたしていて、 今年のエイプリルフール日記のフォローアップを忘れていました。 というか、あれがクイズだと気がついていない方もいらしたようなので、 改めてクイズです。
暗号クイズ
2003年4月1日の日記で、私は「暗号学的データベース」という話題を振りました。 また、 別のページで、あれがエイプリルフールの記事だと種明かししました。
あそこで書いた「暗号学的データベース」という技術は、 現実的には実現不可能です。 なぜですか。
もっと具体的にしましょうか。 たとえば、以下の擬似コードは現実的には実現不可能です。 なぜですか。
class CryptographicalDatabase { String[] database; public CryptographicalDatabase() { database = $2^{160}$個のStringの配列を確保; } public void putData(String key, String value) { 添字 = keyのSHA-1のハッシュ値を計算する; if (衝突が起きたかどうかを判定) { 実行時例外をthrowする } database[添字] = value; } public String getData(String key) { 添字 = keyのSHA-1のハッシュ値を計算する; return database[添字]; } }
解答はこちらのフォームでどうぞ。
[CR](ss) やっとできた。レビューアさんに送信。
たださんの 「WikiCloneのポリシー」に反応。
「新規作成」は確かにWiki的にはなくてもよいと思います。 あれはどちらかというとWikiに慣れていない人に対するとっかかり的な意味合いが強いと思います。
そのほかの点については「いちがいにはいえない」くらいのスタンスですね。
YukiWikiには入れてありますが、 1ページ内の見出しへの自動目次機能はいらなかったかもしれないなあ、 と思っています。
結城です。 プロバイダさんに電話してメール送信問題は解決しました。 サーバ移転にともなう設定変更ミスでした。 感謝、感謝。
[CR](ss) この章もだいぶまとまってきた。
結城です。現在メール不調です。メールは受け取れますが、出せません。よしなに。
[CR](ss) まだ書いている。あーん、早く終わらせたいよう。
まだwww.hyuki.comの不調は続いている。おそらくDNSの設定がおかしい。 プロバイダからの連絡メールも読めない状況なので困った困った。 あ、そうか、電話すればいいのだ (と日記に書いても、これをほかの人が読めるのは復旧の後なのであろう)。
2003年4月4日、11:59現在、復旧している模様。 有志の方の情報によると、210.158.35.119(hyuki.com)になるべきところが、 210.158.35.118(three-p.com)につながっていたらしい。
もしも今後hyuki.comにつなごうとしてthree-p.comさんにつながるようなことがあったら、 http://210.158.35.119/にアクセスするとよいかもしれません。
ところで、 hyuki@hyuki.com あてのメールはロストしてしまったのだろうか…。 →おそらく、送られた先で「そんなユーザはいない」としてエラーになったと思われる。
掲示板やメールで有志の方が情報を寄せてくださった(感謝)。 その中で、 ネームサーバのプライマリとセカンダリで すでに設定が違うという貴重な情報が寄せられた(大感謝)。
2003年4月4日午後、プロバイダに連絡を入れて調査を依頼する。 その際に上記の有志の方からの情報もあわせてプロバイダに伝える。
14:42にプロバイダから返事がきて、 指摘どおりの誤りだったことが判明。 これでしばらくすれば安定するであろう。
みなさん、ご心配をおかけいたしました。 びっくりなさった方々、すみませんでした。
情報をお寄せくださった方々、 また、 結城が情報であふれているだろうと思い、 メールを控えてくださった方々、 感謝いたします。
まだwww.hyuki.comの不調は続いているようで、 ときどきまったく異なるWebサイトが見えたりしますね。 私もびっくりしますが、そのうち落ち着くでしょう(とここに書いても読めないか…)。
[CR](ss) とっとと書こうと思うのだが、なかなか進みませんねえ。 うまく進まない理由は、自分の理解が不足しているのでしょう。 と思って参考書とRFCを何度も見比べていたら、 参考書の方ががおかしいらしいということに気がついた。 道理でつじつまが合わないわけだ。 RFCのエディタはえらいなあ。
本日www.hyuki.comが不調でしたが、 これは、ディスクの容量増加とサービスの一部変更に伴う サーバ・メンテナンスに関連したものです。 前もって連絡せず、ご心配をおかけしました。
なお、本日から数日間、うまくwww.hyuki.comにアクセスができなかったり、 メールが結城あてに届かないなどの不調が起きる可能性もありますが、 どうぞご心配なく。
A4のコピー用紙一枚と鉛筆2本をもって食卓につくと、 長男が興味深そうにのぞきこんでくる。
長男「ねえ、なに書くの? 図形クイズして!」 私「じゃあ、エックスの話をしよう」 長男「ふうん?」 (以下、「エックス」を■で表記します。「掛ける」と紛らわしいからです) 私「これがエックスです」 ■ 長男「うん」 私「これは何か数を表しているとしましょう。でも何だかはわかりません」 長男「ふんふん。クイズだね」 私「エックスに、2を足したら12になりました」 ■+2 = 12 長男「簡単だよ。エックスは10だね!」 私「そうだね、その通り。でもここでは、その理由について考えてみよう。 あなたは賢いからぱっと10だとわかったけれど、その説明について考える」 長男「ふうん?」 私「まずは言葉から。これを、左辺という。さへん」 ■+2 = 12 長男「さへん。」 私「左にあるからだね。じゃあこれは?」 ■+2 = 12 長男「右にあるから、右辺だ。」 私「そう。右にあるから右辺。左辺と右辺をあわせて両辺という。りょうへん」 長男「りょうへん」 私「真ん中にあるイコールのマークは等号という。とうごう」 長男「とうごう。ふとうごうっていうのもあるんだよね。ふとうしきとか」 私「そう。等号は、短い線が平行に並んでいる様子を表している。 等しい、って感じがするでしょう。 だからこの線を短く書きすぎないほうがいい。ゆったりと少し長めに書く」 長男「ふうん」 私「等式は、左辺と右辺が等しいことをあらわしている。ちょうど…」 長男「ちょうど?」 私「ちょうど、てんびんのように。てんびんは知っている?」 長男「しっている。重さを量るの」 私「そう。てんびんは重さを量る。 左側の皿と右側の皿に乗っているものの重さが等しいかどうか、を調べるのがてんびん。 じゃあ、さっきの式にもどるよ」 ■+2 = 12 私「ここで、両辺——左辺と右辺のことだよ——から同じ数2を引いてみよう」 長男「うん。■は10だよね」 私「そう。そうだけれど、先を急ぎすぎている。 一歩一歩進んでみよう。両辺から2を引くとこうなる」 ■+2−2 = 12−2 長男「そうか、+2−2がなくなるんだ」 私「そう。なくなるというか、+0になるんだね。そこで、次のようになる」 ■ = 10 長男「なんだ、やっぱり10だ」 私「そうだよ。あなたの答えははじめから正しかった。 いまやったことは、それをゆっくり説明つきでやっただけだよ」 長男「それって面倒なだけじゃないの?」 私「どうだろうね」 * * * 私「では、次の式を考えてみよう。また等式だよ」 ■×2 = 14 長男「簡単だよ。ええと、7かな。■は7だ」 私「そうだね。7で正しい。 でも、いまほしいのは、説明だ。どうして7だとわかったんだろう。」 長男「だって、7が2個あったら14だもの」 私「そうだね。それは正しい。 では、説明のためのヒントを与えよう。 さっき覚えた魔法の言葉、左辺と右辺——あわせて両辺、を使ってみよう」 長男「うーん、どういうこと?」 私「こういうこと。両辺を2でわったらどうなる?こうなる」 ■×2÷2 = 14÷2 長男「あ、そうか。両辺を同じ数で割ったからこれも等しい?」 私「その通り」 長男「で、×2÷2がなくなるから…」 私「×2÷2は×1と同じことだからね」 ■ = 7 長男「そうか。さっきの+2−2と似ているね」 私「そう。さっきは、てんびんの両方の皿から2を引いた。 今度は両方の皿の上のものを半分にした。 等式の両辺に同じ操作をしても、やっぱり等式は成り立つ」 長男「ふうん。でも、やっぱり面倒くさいな」 * * * 私「ところで、あなたは「つるかめ算」って知っている?」 長男「知っているよ。得意なんだ」 私「鶴と亀をあわせると3匹でした。鶴の足と亀の足を合わせると8本でした。鶴は何匹ですか」 長男「うーんとねえ。鶴は2匹」 私「計算はやいなあ。説明してよ」 長男「え? だって、2匹でしょ」 私「そう。答えはあっている。でもいま聞きたいのはどうして2匹なのかということ」 長男「わかんない」 私「じゃあ、式を作ってみよう。いま、鶴が■匹いるとしよう」 長男「2匹だよ」 私「でも、まだわかっていないことにするんだよ。鶴が■匹いたら、足は何本?」 長男「4本」 私「いやいや、鶴は■匹なんだ」 長男「あ、そういうことね。うんと、■×2本?」 私「その通り。もし亀が●匹(●はYだとする)いたら、亀の足は何本?」 長男「わかった。●×4本だ」 私「その通り。ではここで、さっきの問題にもどってみよう。 『鶴と亀をあわせると3匹でした』これを式で表すとどうなる?」 長男「え?■+●かな?」 私「そうだね。それは『鶴と亀をあわせると』までだね。3匹が出てきていない」 長男「あ、そうか。 ■+● = 3 …(1) かな」 私「その通り。大正解。ところでこの式の両辺の「単位」は何だろう」 長男「匹」 私「そう。等式の両辺はいつも単位が同じになる。ここでは両辺とも「匹」という単位だ。 じゃあ『鶴の足と亀の足を合わせると8本』を式で表してみよう」 長男「ええ?だって鶴も亀もわかってないのに?」 私「おーい。鶴が■匹のとき、鶴の足はわからないかな?」 長男「あ、さっきやった。■×2かな」 私「そう。単位は?」 長男「本。■×2本」 私「亀の足は?」 長男「●×4…本」 私「そう。じゃあ、両方の足を足してみよう。それが8本になるんだよ」 ■×2+●×4 = 8 …(2) 長男「ふう。これで終わり?」 私「いやいや、ここから始まる。まず、(1)の両辺に2をかけてみよう」 ■×2+●×2 = 6 …(3) 長男「うん。同じ数をかけたんだね」 私「そう。両辺が等しいから、両辺に等しい数を掛けても、やっぱり等式は成り立つ。 さてここで、(2)の両辺から(3)の両辺をそれぞれ引いてみよう。すると、こうなる」 ■×0+●×2 = 8−6 私「つまり…こうなる」 ●×2 = 2 私「これは解けるかな?●はいくらかな?」 長男「●は1だね」 私「どうして?」 長男「だって、二倍したら2になる数って2だから」 私「魔法の言葉を教えてあげよう。左辺と右辺をあわせて両辺という」 長男「またかい! それ、さっき聞いたよ」 私「あなたが両辺という言葉を使わないからだよ。両辺を…」 長男「2で割る」 私「そう、両辺を2で割ると、こうなる」 ●×2÷2 = 2÷2 ● = 1 私「ところで、●って何だっけ」 長男「亀の数?」 私「そう、亀は1匹だ。あとは簡単。鶴は?」 長男「鶴は2匹だ」 私「そうだね」 長男「やあ、なんてめんどうなの。すぐに鶴2匹ってわかったのに」 私「そうだね、あなたは賢いから、頭で亀や鶴のことを想像すればすぐにわかる。 でも大事なのは、(1)や(2)のような式をたててしまえば、 もう亀や鶴のことを忘れてもいい、ってことだ」 長男「それで?」 私「たとえば、 『鶴と亀があわせて77747匹います。足の数は合わせて219924本です。鶴は何匹いますか』 という問題を考えてみよう」 長男「ひゃあ!」 私「こんなにたくさんの数になると想像することは難しい。 でも、式をたてて、それを解くことはできる」 長男「ふうん。よくわかんなーい」 私「まあ、いいよ。またいつか続きをお話しようね」 長男「うん!」
お父さんのノート:
両辺が等しいこと、 両辺に同じ操作をしてもまだ両辺は等しいことをメインに置こうと思って話していった。 賢い子は答えを直感的に求めてしまう。 でもその直感を、できるかぎり説明させる。 少ない語彙で説明させる。 できるだけ機械的な操作の連続に置き換えさせる。
方向ははっきりしている。 直感、あるいは知性を特定の問題を解くことに使うのではなく、 より一般的な解法を導くために使うことだ。 特にその解法が、機械的な操作の列に変換できれば最高だ。 なぜなら、そこまで解法を磨き上げることができたなら、 コンピュータという機械でその問題を解くことができるからだ。
[CR](ss) 今日もせっせと暗号本を書く。 すごく面白いのはいいんだけれど、長くなるのは困るなあ。うう。
「春」と「セキュリティ」にふさわしいページをご紹介。 もう13年も前の文章だけれど、いまでもそれほどおかしくない。
「クリエイティブ・コモンズのライセンスをWeblogツールで使うことの危険性」を公開しました。 こういう文章のちょうどよい置き場所(ディレクトリ)がないのに気がついたけれど、 「翻訳の部屋」に置くことにしました。
[CR] 今日もせっせと暗号本を書いている。
ところで、 最近あちこちで話題の「CDB」(またはCrDB)について少し書いておきます。 「CDB」というのは"Cryptographical Database"の略で、 日本語でいうなら「暗号学的データベース」といえるでしょう。 まだ日本語の定訳はないらしいです。
でも、内容を詳しく調べてみると、これをデータベースと呼ぶのは言い過ぎでして、 「高速な検索技法」と呼ぶのが正しいかと思います。 でもなかなか発想は斬新です。 SHA-1のようなメッセージダイジェスト関数を用いて、 超高速なデータ格納と検索ができるのが特徴。
簡単に解説してみましょう。
暗号技術で使用されるメッセージダイジェスト関数(一方向ハッシュ関数)は、 任意長のビットを固定長に圧縮(もちろん不可逆圧縮)する。 たとえばMD5ならば128ビット、SHA-1ならば160ビットに圧縮する。 通常は圧縮した結果のハッシュ値は、 もとのメッセージの正真性(完全性)のチェックに用いる。
CDBの開発者であるEvih Cra教授は、 このハッシュ値をデータベースのインデクスとして用いることを思いついた。 いま、データベースに格納したいキーとバリューの組があったとしよう。 まず、そのキーのハッシュ値を計算する。 そしてそのハッシュ値をインデクスにしてバリューを格納する。 まあ、簡単に言えば、ハッシュ値を配列の添字にしちゃうわけだ。 同じキーからは常に同じハッシュ値が計算されるから、 探し出したいバリューは、 何とオーダー1で検索できることになる。 つまり事実上、コストはハッシュ値の計算にかかる時間だけ。
もしも、異なる二つのキーのハッシュ値が衝突したらどうなるかって? そこがメッセージダイジェスト関数のすばらしいところ。 ハッシュ値が衝突することは極めて極めて低い確率でしか起こらない。 MD5よりは、SHA-1を使うべきでしょうけれど。
以上が「暗号学的データベース」(CDB)の核心です。
メッセージダイジェスト関数は暗号技術の1つではあるけれど、 暗号ではないため、輸出規制などにはひっかからないのもうまい。 また、これをハードウェア化することも考えられるため、 このCDBの権利をめぐって、 チップメーカーなどが水面下で動いているらしい。 最近のちょっとホットな話題。
Evih Cra教授自身が書いた短い解説記事を翻訳したので、 興味のある方は以下を参照してください。
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