ホーム > 文章教室 > 文章教室 第10回 問題編 | 検索 | 更新情報 |
投稿の前に | Q1 | A1 | Q2 | A2 | Q3 | A3 | Q4 | A4 | Q5 | A5 | Q6 | A6 | Q7 | A7 | Q8 | A8 | Q9 | A9 | Q10 |
|
こんにちは、結城浩です。 文章教室の第10回は、「ストレートに書きましょう」がテーマです。
読みやすく、分かりやすい文章を書くためには、 ストレートに書くことが大切です。 もってまわった言い回し、 どっちつかずの表現、 思わせぶりの言葉遣いは避けましょう。
(1) 少なくとも、 現在のサポート体制では、 顧客の満足を得るサービスは困難であるとはいえよう。 問題の解決の為には、 抜本的な対策の検討が急務なのではあるまいかと思われる。
(2) 現在のサポート体制では、 顧客が満足するサービスの提供は困難である。 問題を解決するためには、抜本的な対策の検討が急務だ。
(1)では、 「困難であるとはいえよう」や「急務なのではあるまいかと思われる」など、 もってまわった言い回しが使われています。 文章の長さを水増しするためには便利ですが、 文章の読みやすさや分かりやすさは失われます。
(2)では、 「困難である」や「急務である」と言い切っています。 このほうがずっとすっきりします。
(2)のように言い切ると、だいぶ読みやすくなりますが、 ほんとうの意味で分かりやすいとは言えませんね。 「抜本的な対策」や「急務」が具体的ではないからです。 読者は 「抜本的ってどういうこと?」「急務ってどういう意味?」 という疑問を抱いてしまいます。 本来は、そのような読者の疑問に答えるような 文章まで仕上げていく必要があるでしょう。
では、ストレートに書く練習をしてみましょう。
次の文章を、 読みやすく書き換えてください。 補足や削除は適宜おこなって構いません。
本などを書くというのはたいそう挑戦的で、 心などがとてもわくわくする仕事だったりする。 新しい本などを書いたりする準備段階などでは、次のようなことを考えることがある。 まずはもちろんのこと内様について考える。どういうことを書こうかと考えるのだ。 それから読者について考えたりもする。 どんな人が読むのか、その人たちはどんなことを知りたいと思っているのだろうか、 などと考えたりします。 読者とか、内容とかを考えたなら、その両方を思考の片隅に置き据えながら、 どのような順番で書き進めるかを考えることになる。 これがいわゆる章立てといわれる作業に相当すると言えるかもしれないと思われる。 これらの作業を頭の中だけで作業すると混乱するかもしれないので、 必ずこれらを自分のアイディアメモなどに書いて作業すると絶対に混乱が少なくなるかもしれないと考えることができよう。
会社の談話スペースに張る、 注意書きの文章を書いてください。 注意書きの主旨は「喫煙者のマナー」で、 内容は自由に考えてください。